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彼女の恐喝 (実業之日本社文庫)

彼女の恐喝 (実業之日本社文庫)

彼女の恐喝 (実業之日本社文庫)

作家
藤田宜永
出版社
実業之日本社
発売日
2021-02-05
ISBN
9784408556475
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彼女の恐喝 (実業之日本社文庫) / 感想・レビュー

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じいじ

5年前の初読みでは、お気に入りの藤田宜永のミステリーということで、気合が入り過ぎて高揚した感想を書いた覚えがある…。今回は文庫で読んでみた。主人公は、六本木のクラブで働きながら懸命に生きる現役の女子大生。その彼女が「カネ」のために、常連客の或る男から綿密な計画のもとに2000万円を脅し取ることに成功する…。この手の作品は、テンポよく一気にいかばねといけないのだが、ダラダラと5日もかかってしまった。でも、藤田小説は好きなので、つぎの3度目はベストコンディションで一気に読了したいと思う。

2023/10/16

ゆん

知り合いの犯罪行為を知り恐喝を思いついた圭子。 そこから始まった屈折した愛の形、ドキドキしながら読みました。 それぞれの思いが錯綜し、絡み合い、誰が誰を疑うのか この先どうなってしまうのか…驚愕の犯罪×心理サスペンス。

2021/04/01

matsu

俺の大好きだった藤田宜永氏の遺作ということで、しみじみと読了した俺だ。主人公に悪意が微塵も感じられないのも凄いが、擬似的な共犯感覚のようなもので極々自然に共依存の如く心を通わせてゆく二人の姿に不思議に共感?してしまう俺は、いやいやそんなはずないだろ?こいつら二人ともおかしいだろ?冷静に考えればそうなのだが、だってしょうがないじゃないか、そう思っちゃったんだからさ。終盤の展開は個人的にはまったく想定外。ハッピーエンドに終るわけもなく、しみじみと辛い。著者の冥福をお祈りする俺だ。鋼鉄の騎士を再読したい。

2021/07/24

シロクマアイス

★★★★☆苦学生がひょんな事から自分の客を恐喝して簡単に成功してしまう。その辺りまでは少し藤田作品らしくない感じがして違和感があったのだが、恐喝相手には過去に秘密があった。恐喝する側、される側。微妙な距離感を持ったまま物語は意外な結末へ。恋愛小説、ハードボイルドに次ぐ作者にとって第三のジャンルになり得たかもしれないと思う出来の作品。恐喝があまりに簡単に成功しすぎてる点を除けば完成度の高い小説。

2021/04/02

カノープス

久しぶりの藤田宜永は違和感があった。こんな文体だったかと戸惑っていたが、恐喝成功後から「らしさ」を感じる展開で話が転がり始めた。複数視点で進む作品は山ほどあるのだが、これだけサスペンスに溢れた心理描写は流石と言わざるを得ない。著者最後の作品、堪能した。

2021/03/14

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