トラウマの現実に向き合う:ジャッジメントを手放すということ (創元こころ文庫)
トラウマの現実に向き合う:ジャッジメントを手放すということ (創元こころ文庫) / 感想・レビュー
銀の鈴
トラウマで苦しんでいる人に、一番おすすめの一冊です。私は喪失そのものももちろん辛かったけれども、連鎖して起こった二次被害のほうが何百倍も苦しかった。「早く立ち直れ」「私だったらそのくらい大丈夫」「みんな耐えている」「あなたは◯◯だ」心ないジャッジメントの嵐。水島先生の著作が一番心に沁み入ります。バイブル的存在。こういう治療者がひとりでも増えることを願うばかりです。
2018/10/26
しょうじ@創作「熾火」執筆中。
【1回目】必要があって手にした。自分もまたトラウマ(的)体験をもっていたことが痛切に思い返された本だった。
2018/09/04
サトゥルヌスを喰らう吾輩
まさに「ジャッジメントを手放すこと」について。渾身の一冊という感じでした。治療者・支援者によるジャッジメントというテーマでしたが、臨床シーンを超えて応用の効く視点だと思います。「医学という道具を使って患者をジャッジする」ことの暴力性については「医学」の部分をあらゆる専門性に置き換えて理解したいです。
2019/02/08
ベランダ
この本に書いてあるジャッジメントを手放し患者に寄り添う方法は、トラウマに限らず治療というもの全般に言えることだと思う。治療者と患者は上下関係にあり、ジャッジメントは当たり前のように存在している。トラウマ体験者はすでに傷つきやすく、対人不信を持っているため、治療者のジャッジメントによって簡単に深く傷つき心を閉ざしてしまう。どうして治療現場で傷ついてしまったのか、治療がうまく進まなかったのかがわかった。ジャッジメントは治療者の不安感の裏返しで、治療者自身のトラウマ体験への取り組みの話もありわかりやすかった。
2016/11/03
okaching
トラウマについての説明というよりも治療者側の心構えの説明といったところか。これはトラウマだけに限らない話だと思う。ジャッジメントするのではなくアセスメントする。患者の今を見るというのがいまいちピンと来ないな。トラウマは傷でなく役割の変化。文脈から離断した状態であり、新たな役割を得るためにも自らでコントロールできるという感覚を獲得して行く必要がある。
2016/12/10
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