わたしのげぼく
「わたしのげぼく」のおすすめレビュー
愛猫との出会い、そして別れ――すべてのどんくさい「ネコのげぼく」に捧げるやさしい命の物語
『わたしのげぼく』(上野そら:著、くまくら珠美:絵/星雲社)
『わたしのげぼく』(上野そら:著、くまくら珠美:絵/星雲社)を読む。数ヶ月前、書店の店先でパラッと読んで「これは家で読まないとヤバイやつだ」と買って帰った一冊の絵本だ。
主人公の「わたし」はオスのネコ。4歳のおとこの子に選ばれて家にやって来た。 「かっこよくて、かしこくて、すばやいのがじまん」で「しんがいではあるが、カワイイねこ」のわたしは、自分に尽くす少年を「げぼく」と呼ぶ。
げぼくはとても、どんくさい
ごはんを食べるのも、走るのも、どんくさい。げぼくにカクカク(ロボット玩具)を机の上に置くと邪魔だと移動させてやった(落として壊した)。げぼくは泣きながら、星にもう一度買ってもらえるよう願うが、どんくさいから流れ星をつかむこともできない。そんなげぼくは、時が経ち、成長して「とても重く」なった。星を見るのが好きになったげぼくは、けれどどんくさくて、流れ星に願いを3回言い切れない。
優しい上から目線で語られる「わたしとげぼく」の日々は、やがて残酷な現実に突き当たる。
この家にきて、18…
2017/12/16
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わたしのげぼく / 感想・レビュー
馨
猫目線で読み進む大人向け絵本。飼い主のことを「げぼく」と思いどんくさい飼い主を嘲るネコ。最初は猫ってのは皆飼い主をこんな風に下に見ているのかと驚いたものの時を経て、お互いに大きくなり、猫が先に年をとり逝ってしまう流れとなりますがその時点で猫と飼い主との関係は非常に大きい、一生の絆となっている。猫も幸せな人生だったと思って天国で待っていてくれるという。猫を飼ったことはありませんが、今まで出会って仲良くなった猫たちが私のことを覚えてくれたままで天国で待っていてくれるといいなあと思いました。
2017/08/26
三代目 びあだいまおう
読友さんのお薦めにて拝読。『わたしのげぼく』タイトルからは逆の想像してましたが、わたしは『ネコ』で、そのげぼく(下僕)が『飼い主(正確にはその家の子供さん)』です。 なるほどそういう視点ね!我が家もネコを家族に持つ身、うん確かにうちのも同じようなこと考えてるような気がする(笑) 何気にネコちゃんは気高いからな、私を家族内ヒエラルキーで一番下に見てるだろうし、当然自分の方が上だと思ってるだろうし。やがて必ずくる別れ。なるほど、ペットを喪った哀しみをほんの少し癒してくれる素敵なお話です‼️🙇
❁かな❁
これはもう絶対外で読んだらダメな作品。図書館で予約中ですがしばらく回って来そうにないところブックカフェで見つけました。小説ではなく絵本だったんだぁと思い、読みましたが後半の約10ページでめちゃくちゃ涙。カフェの端っこの席だったので何とかバレてないと思いますが泣いてるのバレないようにするの必死でした。絵本だからと侮るなかれ。文章もシンプルで短いし、うるうるするぐらいで大丈夫かなと思ったけど全然無理でした。猫ちゃんの言葉がどれもたまらなくて感想書きながらもまた思い出して涙が溢れてしまいます。猫ちゃん、またね。
2018/05/02
p.ntsk
これはアカン、アカンやつや。一読して涙。読み返して涙。他の方のレビューを見てまた涙。オレ様口調のくせに親愛の情溢れるメッセージがたまらない。これは何度読んでも泣くだろうな。猫と猫を愛する人のためのレクイエム。傍に猫がいたら思わず抱きしめそう。私も下僕になりたい。
2019/05/29
麦ちゃんの下僕
僕のニックネームは、実はこの絵本から頂戴した…訳ではありません(笑) 先日、読友さんのレビューでこの作品の存在を知り、これは僕が読まなくてどうする!と早速手に入れました。僕は涙もろい人間ですので、当然泣く覚悟はできていましたが…号泣でした。語り手である猫の「わたし」は男の子ですが、その言葉を全て“お嬢様言葉”に変えたら、まさに麦ちゃんが僕に対して思っていることなのではないかと…。僕も「げぼく」くんみたいにどんくさいですしね(苦笑) あぁ…感想を書いているだけで涙が…。猫を飼っている方もいない方も、ぜひ!
2020/10/03
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