KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

トウモロコシの種蒔き――S・アンダーソン短編集 (シリーズ世界の文豪)

トウモロコシの種蒔き――S・アンダーソン短編集 (シリーズ世界の文豪)

トウモロコシの種蒔き――S・アンダーソン短編集 (シリーズ世界の文豪)

作家
シャーウッド・アンダーソン
後藤健治
出版社
柏艪舎
発売日
2018-03-23
ISBN
9784434243370
amazonで購入する Kindle版を購入する

トウモロコシの種蒔き――S・アンダーソン短編集 (シリーズ世界の文豪) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

ココロココ

シャーウッド・アンダーソンという名前は、初めて聞いた。 あまりアメリカ文学は読まないが、やはりアメリカらしいと感じた。 15編からなる短編集。 ヘミングウェイにも影響を与えた作家。 やはり訳が良いのか、非常に読みやすかった。 平凡な日常を書いているので、驚きというものはないが、文章がうまいと思う。 表題作の『トウモロコシの種蒔き』が印象に残った。 アメリカ文学にも、色々面白いものがあると思うので、他にも探してみたい。

2018/05/20

三柴ゆよし

シャーウッド・アンダーソンの単行本未収録作品をまとめたもの。未収録と聞くと玉石混交なのかともおもうが、吃驚するほど質が高い。アンダーソンの短篇には外れがない。いずれの作品でもありふれた人生に不意にあらわれる真実の瞬間を描いており、それは心温まるものであったり不気味なものであったり色彩は様ざまだが、およそ短篇小説の本質を見事にあらわしたものだ。翻訳の問題もあるかもしれないが『ワインズバーグ、オハイオ』を読んだときよりも文体に無骨な印象を受けた。

2018/06/13

ぺったらぺたら子 

単行本未収録作を年代順に集めただけなのだが、無作為な感じが却って1人の男の顔をくっきりと浮かび上がらせる。冒頭に「妹」があるのが重要。これは珍しくチェーホフ的と言うよりカフカ的だが、近親相姦的な兄妹の愛の中に、実は芸術の実体(ミューズ)とそれを描き留める者(作家)との関係が浮かび上がる、という永遠の深みを湛えた4頁。どうだ。唸ったよ。人間とはどんなに脱臭しようが人間臭いものであって、著者はその姿を既存の価値観によって裁く事なく陳列して見せる。そこに何故か人間性の肯定感が滲むという温かみ。どれも最高。読め。

2018/12/14

kaoriction@感想は気まぐれに

静かなる「生」、淡々と己れの生き方を見つめて。世の中の不条理にも、人間の理不尽さにも、動かされることなく自問自答し黙々と、粛々と、惑わされず、迷わされずに生きる。人間をときに厳しく、ときに優しく見つめながら。男の生き方、男の小説。 全く古びない、それどころかいまの時代だからこそとも思える S・アンダーソン。単行本未収録の短編15編を収録した傑作短編集。ヘミングウェイに影響を与えたのは頷ける。「嘘は吐き通せば、嘘でなくなる」「白い筋」「トウモロコシの種蒔き」が好きだ。柏艪舎モニター2冊め。次は何を読もう。

2020/05/14

刳森伸一

単行本未収録作品を年代順に集めた短篇集。同作者の『ワインズバーグ〜』とは異なり、連作ではないが、関連し合う作品もあり、薄い本の割には重層的。各短篇は、人の行動の奥にある思いを丁寧に描いていて、胸に刺さる。単行本未収録作品集なのにクオリティが高く驚いた。

2019/06/04

感想・レビューをもっと見る