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ケルト民話集 (ちくま文庫)

ケルト民話集 (ちくま文庫)

ケルト民話集 (ちくま文庫)

作家
フィオナ マクラウド
荒俣宏
出版社
筑摩書房
発売日
1991-09
ISBN
9784480025647
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ケルト民話集 (ちくま文庫) / 感想・レビュー

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木賊

19世紀末から20世紀初頭にかけて、ケルト文化復興運動の時期に描かれた、スコットランド・ケルトの民話集。実際にこのような話が伝わっているのか、ケルト的要素を詰め込んだ創作という事なのか、よく分からない。全体的に昏く、死に向かう狂気が感じられる。個人的には『罪を喰う人』が凄いと思った。これらの物語を生み出すに至ったケルトの文化や歴史について、或いは作者や復興運動について、もっとちゃんと知りたい。荒俣宏による解説は大変助かる。

2018/08/22

redbaron

なんとも言えない昏さがたまらなく癖になるかも。読まれる方は心して読みましょう。灰色に染まる空に薄日が差すが、常に風は吹きすさび、海は荒れ…ヒトに厳しい自然の中で育つ民話は、かくも厳しいのかしらん。ケルトにもいろいろあるのね。違ったケルト民話も読んでみたい。

2016/04/11

おりすと

幻想的でかつ仄暗い、そんなゲール人達の民話が蒐められた一冊。自由な恋の叶わぬ姫と英雄の悲恋譚、海の恐ろしさに纏わる伝承、旅人を呪いの犠牲にする風習などの話がが印象的で、どれもが死や狂気の要素を孕んだ物語となっています。こんなにも暗澹とした民話集が、それでいて当時スコットランドの国民独立運動においてどの様な役割を果たしたのか、という荒俣宏氏の解説も興味深いです。オカルティズムが大きな力を持っていた十九世紀末のファンタジーにも思いを馳せながら。

2017/08/11

あ げ こ

悠久に煌めく魅惑を物語る言葉にさえ、憂いは宿る。無自覚のまま受け入れ、進み続ける命運の、残酷さを知るが故に。緩やかに迫り来る滅びへの、重い確信を抱くが故に。解き明かし難く、だからこそ根深い哀しみもまた、霧のように満ち、物語を覆う。殉ずる様、抗う様、避けられぬ無常さの中へと、飲み込まれて行く様。わかり得ぬまま巡る、生と死。暗がりに潜む魔、ただ悠然と息づく自然の美しさ。晴れることのない昏さの中、それでも、謎に包まれた営みを記す物語は、健気に輝きを放ち続ける。その強さ、滅びを思い沈んでなお、歩む強さが印象深い。

2015/07/17

刳森伸一

タイトルは「民話集」だが、実際にはフィオナ・マクラウドの創作民話(むしろ雰囲気的には創作伝説に近い)だろう。そうでなくとも、かなりの創作が入っていると思う。その分、普通の民話集よりも物語性が高い。特に最長の『罪を喰う人』は他の作品にも増して死の香りが濃厚だが面白い。

2017/11/09

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