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生きるかなしみ (ちくま文庫)

生きるかなしみ (ちくま文庫)

生きるかなしみ (ちくま文庫)

作家
山田太一
出版社
筑摩書房
発売日
1995-01-01
ISBN
9784480029430
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生きるかなしみ (ちくま文庫) / 感想・レビュー

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アキ・ラメーテ@家捨亭半為飯

脚本家・作家、山田太一の選んだ、人間が生きることのかなしさを描いた作品のアンソロジー。中でも初めて読んだ時実新子の『私のアンドレ』が良かった。私の中の女の部分が共鳴したのか。女のかなしみ、いや夫婦のかなしみか。このタイトルのアンドレとは、もちろん『ベルサイユのばら』のオスカルである。他にも貧困家庭のかなしみ、戦争のかなしみ、差別のかなしみ、母国語を奪われるかなしみ、家族を亡くすかなしみ、同性愛のかなしみ。どれも人間の愚かさ、どうしようもなさ、抗いようのない運命のかなしみの物語。

2017/03/17

AICHAN

図書館本。再読。前に読んだことを忘れてまた借りてしまった。でも、内容はほぼ忘れていたので、新たな気持ちで読むことができた。山田太一編の「生きること」をテーマにしたアンソロジー。私は死病にとりつかれたら延命治療を拒否するし、死んだら葬式無用、戒名不要の意向を持っている。自然のまま生きたいし死にたい。そういう私にとって「うん、そうだな、そうだよな」というふうに頷くことの多いエッセイ集だった。太宰が殺人を犯していたという見方には唸った。

2019/07/12

わっぱっぱ

愛を感じても孤独を感じても胸は痛む。それで思った、人生には幸も不幸もないのではないかと。喜びとかなしみは、どちらも“気づく”ことによる命のエネルギー(とでもいおうか)の発露であって、本質的には同じものなのではないかと。 本書の収穫は石原吉郎氏に再会できたこと。数年前、新聞で彼の詩を読んで胸を打たれたのだけれど名前を書き留めるのを失念し、随分悔やんでいたのだった。『望郷と海』で彼が言う「喪失とはまさに肉体的な感覚だ」という言葉が頭から離れない。

2017/05/18

アナクマ

山田太一が編んだ短編集。生きていれば不可避の「かなしみ」と対峙する覚悟/抱きとめる慈しみ、そのようなものを省みようという趣旨。バブル終わりの91年刊。◉戦争はじめ大小?さまざまのかなしみがモチーフに。盲目の祖母が縫い物で必要とする「切れた電球がいかに尊いものかを学んだ」という水上勉。「父は、85歳まで谷の藪かげに生きて棺つくるなりわいを捨てずに死んだ」◉山田「本来の意味での楽天性とは、人間の暗部にも目が行き届き、その上で尚、肯定的に人生を生きることをいうのだろう」

2022/02/20

フム

この前読んだ頭木弘樹さんの『絶望読書』で紹介されていた。タイトルから想像したのは、人が生きていることで避けられない悲しさや、いじらしく愛しい人生だったが、そうではなかった。このアンソロジーが編まれたのは1991年、今からみれば楽天的で享楽的な匂いがあふれる時代、だからこそあえて悲しさや苦しさという人間の暗部に目を向けた。杉山龍丸『二つの悲しみ』には終戦後の復員事務員が家族に戦死を告げる場面が語られる。かなしみなどという生やさしい言葉で言い表せない感情が読んでいて生まれた。

2021/03/21

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