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泉鏡花集成 9 (ちくま文庫 い 34-9)

泉鏡花集成 9 (ちくま文庫 い 34-9)

泉鏡花集成 9 (ちくま文庫 い 34-9)

作家
泉鏡花
種村季弘
出版社
筑摩書房
発売日
1996-06-01
ISBN
9784480031792
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泉鏡花集成 9 (ちくま文庫 い 34-9) / 感想・レビュー

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クリイロエビチャ

何度読んでも「三枚続」「式部小路」には泣かされる。今回も電車の中でホロリとしてしまった。お夏の最期は愛吉がやりきれないし、あんなに嫌った定子は筋の通った女性だし。よく考えると色々アレなのだが、それでも勢いと可愛らしさが爆発して筋なんてどうでもよく、ただ引き込まれる。定子的な女性が別の話にも出てきたはずだけど失念。確か川端康成が「開扉一妖帖」は鏡花にしてはイマイチだったという評を出していたんだけど、私は割と好き。読んでて自分も息切れしてしまう。鏡花は人の生理に訴える物が多い。「尼ヶ紅」なんて最たるものだ。

2015/12/22

クリイロエビチャ

「三枚続」「式部小路」がやっぱり好き。ちょうど金沢に行ったので、鏡花記念館にも寄ってきた!

2009/09/18

クリイロエビチャ

私の鏡花好きを不動のものにした「三枚続」と「式部小路」が収録されている。何度読み返しても飽きない名作。意気地と粋と捨て鉢と、江戸っ子の要素を全部集めて結晶にしたようなお夏と愛吉。小気味良いけど、彼らに明治の世は生きづらい。「縷紅新草」は鏡花最晩年の作。20代前半に書いた「鐘声夜半録」の対になるのか。恥辱に身を投げた幸(鐘声夜半録)の魂を45年経って成仏させた、鏡花らしい最後の仕事。ふわふわと文章が遊び縦に横に伸び縮み、捕まえようにも形が不明瞭、やわらかい薄衣のような読書体験を得られる、鏡花作品の境地だ。

2012/07/02

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