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二つ枕 (ちくま文庫 す 2-10)

二つ枕 (ちくま文庫 す 2-10)

二つ枕 (ちくま文庫 す 2-10)

作家
杉浦日向子
出版社
筑摩書房
発売日
1997-12-01
ISBN
9784480033345
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二つ枕 (ちくま文庫 す 2-10) / 感想・レビュー

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ミカママ

【遊郭部課題】遊女の切ない想いが、作中から溢れてくるような作品でした。憎まれ口をききながら寝入ってしまったオトコの耳に、そっと指を這わせる…恋するオンナ、アルアルですね♡早逝された杉浦さん、もっと作品を読みたかったな。

2016/11/19

ケイ

最初の話、花魁が鏡の前で何をしてるかわからなかったが、そのやさぐれ感にいいねぇ姐さんとニヤリ。あとの話は、艶っぽさより切なさがきた。待つしかないのだなと。花魁は待つだけなのだと。とどのつまりは吉原に通うような男を…。あてにはなりんす。花魁が本心を言わないのは、待てど暮らせど来ぬ男になるかもしれないからかもしれない。私は落語でしかわからないが、高座での歌丸さんのおはこ「紺屋高尾」の高尾が信じられるものを見つけた嬉しさがようやくわかった気がした。後書きの北方謙三は良かった。初めて彼の文を楽しく読んだ。

2016/12/29

優希

艶っぽくてドキドキします。夜毎の花魁と男の駆け引きは、まさに遊郭の華と言うべきですね。通う男は夢と現の狭間を彷徨っているのだと思います。花魁はある意味虚構の恋人であるのかもしれません。

2018/04/17

佐々陽太朗(K.Tsubota)

秀作でありんす。郭の幾分不健康だが甘酸っぱい空気、金抜きでは成り立たないが金だけではない虚々実々の関係、己に自堕落を許した生き方が浮世絵風の絵で描かれた漫画です。そこに描かれているのは「色」と「粋」。そして、それにひたすらのめり込む杉浦さんの耽溺ぶりが色濃くあらわれている。そう、人は好きな世界に耽溺してこそ、生まれてきた甲斐があろうというもの。2005年に満46歳で亡くなられた杉浦さんの内的世界を垣間見た思いがする。

2012/03/04

かっぱ

この1冊の本の中に花魁たちが活きている。その息遣いが聞こえるようだ。江戸の郭はこうだったのかと思わせる臨場感満載の短編集。部屋を出て廊下をうろうろしていると花魁に呼び止められ「廊下鳶(とんび)をしなんすなへ」と言われてる。まるで見て来たような描写。解説は北方謙三。かつて北方さんが江戸の時代小説を書こうとしてあまりの資料の多さに戸惑っていたところ、杉浦さんと出会い、その明晰さに「一番弟子にしてください」と即座に志願し、弟子入りを果たしたというエピソードは楽しい。ちなみに二番弟子は宮部みゆきさんだそうです。

2017/01/14

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