KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

終わりなき日常を生きろ (ちくま文庫 み 18-1)

終わりなき日常を生きろ (ちくま文庫 み 18-1)

終わりなき日常を生きろ (ちくま文庫 み 18-1)

作家
宮台真司
出版社
筑摩書房
発売日
1998-03-01
ISBN
9784480033765
amazonで購入する Kindle版を購入する

終わりなき日常を生きろ (ちくま文庫 み 18-1) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

かみぶくろ

「終わりなき日常」の概念だけでご飯100杯はいけそう。発表から20年経ってもこの社会の症状は一向に変わらず、処方箋の有効期限は切れてしまった。さて、これからどうなる?どうもならない。どうもならないから日常だ。

2016/04/24

harass

実は初宮台。ついに手を出す。オウム事件の分析とその対処方法について語る。いろいろ当たっているのではないかと感じる。特に、世代についての考察に唸る。時代の資料としての価値もある。「ナイトヘッド」など懐かしいのだが、同時代を知っているからこそか、こそばゆい気がする。知らない人はどう思うのだろうか。文体やノリに勢いがあり講演が巧みな人なのだろうなと予想される。ただ、自分がこの学者を敬遠していた理由がちょっとわかった。名著であるのは否定しないのだが。

2017/05/21

サイバーパンツ

戦うべき相手も、輝かしい未来も、大きな破滅も存在せず、「きっと何者にもなれない」不安だけが押し寄せる「終わりなき日常」はキツイ。だから、若者たちは麻原や自己啓発セミナーなどの超越的存在に依存することで「終わりなき日常」から逃れようとした。が、これはハルマゲドン後の素晴らしき未来に期待することになり、その未来を獲得するためにはサリンだって簡単に撒くようになってしまう。なら、どう生きればいいのか。

2016/06/27

またの名

モテない奴は永久にモテず冴えない奴は永久に冴えないという身も蓋もない真理に、適応できた下着販売JKとできずに終わらない日常を転覆し理想の国を実現しようとしたピュアな信者を、対置して議論。際限のない自由と無目的の快楽主義ディストピアの勝利を本書は確信していたものの、メンヘラはもちろん自由化していく恋愛市場が要求する高いコミュ力は今や第一級の懸案に。宗教に対抗して持ち出された性は性で混迷し、彼岸の神秘に代えて地上にぼくがあいするさいきょうの祖国を見出した純真が世界中で愛国を叫ぶ。その経緯を理解するために必読。

2018/07/13

ヒダン

オウムの事件が起きた必然性を「さまよえる良心」「終わらない日常」をキーワードに社会学的に分析する。一本の長い論述ではなく、雑誌に掲載された短めの論評を集めて一冊になっている。豊かで平和で自由な時代に生きる我々は自らの行為の結果を、社会のせいにできず自分で引き受けざるを得ない。そうなるとコミュ力の高低による格差、ひずみが大きくなる。一方で善いことをしたいが何が善いことなのか分からないからできないという状況もあった。そして幸せになれない人が自分だけが悪い、あるいは世界全てが悪いという結論に飛びついてしまった。

2016/02/16

感想・レビューをもっと見る