戦中派虫けら日記―滅失への青春 (ちくま文庫)
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戦中派虫けら日記―滅失への青春 (ちくま文庫) / 感想・レビュー
みなみ
読了!日記600ページは長かった(笑)けどさすがのちの山田風太郎で、日記から浮かび上がる時代や思想が深く味わえる。日常生活の細かい描写は戦争による困窮を伝える。煙草のマッチがなくてレンズで火をつけるとか、もう戦争やめようよ…って気持ちになる。食料が不足してきて、学者先生が「人間が生きるのに糖分は必須ではない」と言い出すくだりは、ザ・御用学者という感じだ。それにしてもこんなに本ばっか読んでて医学生になれるの…?と思ったら一度は失敗したもののちゃんと医大に受かっててスゴい。でもお医者さんにはならなかったのね
2020/09/23
なつみかん
これも三浦しをんさんの本の紹介から手に取って読んでみた。風太郎さんは久々だったのが呼び水になって魔界転生か忍法ものをまた読んでみたくなってる。
2021/01/14
リードシクティス
忍法帖でおなじみの小説家・山田風太郎の20歳前後の日記。時代的には昭和17年~19年のものであり、まさに太平洋戦争真っ只中の頃。最初の方は戦争に対して肯定的で希望に満ち溢れている記述が多いが、戦況が悪化するにつれてだんだんと政府や軍部に対して懐疑的になっていく。小説ではなく、当時の一般市民の生活が垣間見れて興味深い。巨匠が書くと日記も文学になるのだな。しかしこの文章からは、後の忍法帖みたいな作風が想像できないんだが。
2013/01/02
てら
滅び失うこと…それが青春だった世代もある。
mdsch23
山田風太郎が実家を飛び出して東京で沖電気、そして医学校神学と過ごした日々を書いた日記本。召集令状が届いて姫路の連隊で病気を理由に即日帰郷を命じられる所など当時の徴兵制の事情が垣間見られる記述もある。物価や食糧事情なども触れていて銃後生活事情を読み取れる点も良い。基本、悪化の一途というのがこの戦争の特徴だなという追体験ができる本です。
2019/05/30
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