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すぐそこの遠い場所 (ちくま文庫)

すぐそこの遠い場所 (ちくま文庫)

すぐそこの遠い場所 (ちくま文庫)

作家
クラフト・エヴィング商會
坂本 真典
出版社
筑摩書房
発売日
2004-04-08
ISBN
9784480039286
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すぐそこの遠い場所 (ちくま文庫) / 感想・レビュー

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つくよみ

★☆ 「クラウド・コレクター」の舞台になった「アゾット」の諸々について記した「アゾット辞典」この不思議な世界の魅力的な設定の数々が、なんとも言えぬ味わいのイラストや写真と共に解説されている作品。アゾット世界についての基礎知識、世界を通じての共通事項、各エリア毎の風習や、建造物などについて・・・等等「見るたびに中身が変わる」と称されるだけあって、多種多様な不思議に翻弄されているうちに、読み手のアゾットに対する印象も虹色に変化するよう。この作品単体では面白さ半減なので「クラウド・コレクター」との併読必須。

2014/03/16

きりこ

クラフト・エヴィング商會が苦心の末翻訳したと言うアゾット事典。この事典と併読するとクラウドコレクターがもっと分かりやすくなると思います。丁寧に再現された数々の空想上の品々はどれもクオリティが高くセンスも良く、写真やイラスト、レイアウトまで完璧に素敵。なかでもクラウドコレクションのボトルや紙石鹸・ガルガンチュアの涙がうっとりするほど美しい。一曲演奏するのに6日間かかると言う交響曲ゴールデンスランバーを聴いてみたい♪それからセスピアンというデザートを食べてみたい(^-^)続く→

2014/05/17

ひめありす@灯れ松明の火

今回は、随分とすぐそこの遠い場所『アゾット』に長逗留してしまいました。過客の一人として。どれだけのムーン・シャイナーをご馳走になったのでしょう。セスピアンも頂戴しました。詩人と共に雨に打たれて、哲学サーカス団と一緒に空中ブランコをしました。ゴールデンスランバーの一欠片を聞きました。でも、不思議な事に、何も思い出せないのです。アゾットにもう一度行って、あの装置の助けを借りるべきですか。それともこれは幻なのでしょうか。いいえ、そんな事はありません。想像できるものは存在するもの。届かずともすぐそこに、あるのです

2015/03/15

へくとぱすかる

設定がどこまで本当なのか、わかんなくなる奇妙な本。文学というべきか、それとも美術というべきか。祖父が遺したという(これ自体が創作っぽい)不思議な事典の中身を紹介するという形をとりながら、実は遠い(架空の)世界を語っていく。世界を項目別に語っていくことも、文学の役割であったとすれば、これは立派に、現代によみがえった古い形式の文学であるということになるだろう。もちろんパロディであるところが、現代文学の証。ノスタルジックな詩情を感じる文章の架空性を笑いながら、その実この「アゾット」世界に入れ込む自分に気がつく。

2015/08/20

Mumiu

からくり箱、おまけやふろくのシール、あめ玉みたいなプラスチックのクリスタルがついたゆびわ。そんなたくさんをたからばこに詰めたひとつひとつに触れているような本。行きたい行きたいと思っていたらなかなか遠く、意識していないときにふと入り込んでしまうような世界。ただの事典に過ぎないのに、ロマンチックでウィットに富んで、滑稽味溢れたアゾット。誰もが過客となって訪れうる世界、旅の思い出にはぜひ白手袋を。

2016/05/02

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