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恐竜のアメリカ (ちくま新書 120)

恐竜のアメリカ (ちくま新書 120)

恐竜のアメリカ (ちくま新書 120)

作家
巽孝之
出版社
筑摩書房
発売日
1997-08-01
ISBN
9784480057204
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恐竜のアメリカ (ちくま新書 120) / 感想・レビュー

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western

『白鯨』はもちろんソロー「ケープコッド」の死鯨、メルヴィルやトウェインに影響するダーウィンのガラパゴス諸島、あるいは同じく19世紀の化石発掘熱から、ヴォネガット『ガラパゴスの箱舟』や『ジュラシック・パーク』、マーク・ジェイコブスン『ゴジロ』に至るまで、アメリカ文学史にしばしば出没する「恐竜」について考えることで、「巨大なるもの」=アメリカという国家を巡る文学的想像力がどのように変遷してきたかを辿る。白痴賢者(イディオ・サヴァン)性において太古の恐竜とコンピューター以後の電脳文化が接続される可能性に驚いた。

2018/11/14

ネムル

ダーウィニズム、ゴジラ、ゴールドラッシュ、南北戦争、古生物学と発掘論争。1850年前後の社会背景を下に、アメリカ・恐竜文学を考察する。捕鯨が当時最大の資本主義的活動であったという点から、『白鯨』のパラダイムがフィッツジェラルド、バラードへと転換されていく、またはメルヴィルのガラパゴスへの関心とダーウィン批判から『白鯨』と「バートルビー」を照応させる試みを、特に興味深く読んだ。

2015/12/18

火曜日

恐竜は進化論とか西部開拓と同じころ人間の前というか頭の中に出現した生物で、その出現つまり捉え方は、あるべくして人工的でいわゆる西洋近代のものである。筆者の論の立て方と文体がとても饒舌なのだが、それは進化論の「必然性」に対して本書ラスト付近で描かれるバージェス動物群の「失われた」「偶発性」「多様性」「創発性」を人文的に評価する捉え方に対応するのだと思う。で、これがすごく面白いはずだし面白いと言いたいがどうも面白くない。あれもこれもある、それぞれが面白い、だがそれを並べて面白いはずが面白くないのはなぜだろう。

2022/07/23

四四三屋

「恐竜」「アメリカ」「文学」、この三者のつながりが意外なほど強く結びついていることを提示しています。書かれたのが1997年であり、現代の目(2018年)から見ると、当時の時代背景とも合わせて考えながら読むとまた別の感慨もわきます。

2018/09/17

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