KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

カルチュラル・スタディ-ズ入門 (ちくま新書 261)

カルチュラル・スタディ-ズ入門 (ちくま新書 261)

カルチュラル・スタディ-ズ入門 (ちくま新書 261)

作家
上野俊哉
毛利嘉孝
出版社
筑摩書房
発売日
2000-09-19
ISBN
9784480058614
amazonで購入する

カルチュラル・スタディ-ズ入門 (ちくま新書 261) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

またの名

「汚い」世界の問題をアカデミズムという清潔な空間に持ち込むことだとスチュアート・ホールが語る、文化研究。英国での発祥や独のフランクフルト学派、仏の構造主義にフェミニズム、ポストコロニアリズム等との参照・影響関係のもとで文化と呼べるものならなんでも手をつけた貪欲な潮流を紹介する本書の面白味は、有名な議論や学者の羅列だけじゃない。すでにある程度大学に根づいた営みにおいて、研究者が遠い他者たるマイノリティには配慮と共感を見せながら日常の近い他者には無神経だったり声を届けられていない現状への、正当な危機感を表明。

2017/05/12

サイバーパンツ

芸術や文学などのハイカルチャーからテレビやラジオなどのマスカルチャー、アニメやゲームなどのサブカルチャーまで。カルスタの取り扱いジャンルは多岐に渡り、制度化/体系化できるものではない。カルスタの「わからなさ」をわかることがカルスタを知る第一歩なのだ。本書では、細かな内容は理解できなかったが、「よくわからない」カルスタの空気感は伝わってきた。そういう意味で、本書自体なかなかカルスタ的一冊といえる。

2016/09/08

ころこ

ここの多くのレビューが指摘している通り、カルスタトは何か?というのがよく分かりませんでした。ヒントになるのは、近年出版されているカルスタ学会誌「年報カルチュラル・スタディーズ」でしょうか。2015年は「安倍政権によって現実になりつつある戦争」で、2016年は「反資本主義」だそうです。はたしてこれは学会誌といえるのか、確かにカルスタの定義には、権力との関係と政治批判は含まれています。他方、本書ではカルスタは何をやってもいいんだと書いてあります。ですが本書で行っているのは、1級文化、2級文化(本書で取り上げら

2017/07/23

伊野

カルチュラル・スタディーズの発端は、英国のバーミンガム大学に属するCCCS(現代文化研究センター)にスチュアート・ホールが在籍した1969年以降の10年間に発展したようだ。実際の活動の中での体系構築となるのだろうか。その様子は詳しく分からなかった。カルチュラル・スタディーズについて初めは目まぐるしく多様化を続ける文化的様相を哲学や科学的理論を用いて批評する研究手法程度の印象しかなかったが、一応それは刷新された。「わからなさ」を分節化すること。

2018/07/03

swshght

再読。まさにタイトル通りの内容だ。日本の大学教育ではカルチュラル・スタディーズに触れる土壌は整っていないが、欧米ではイギリスに端を発し、盛んに研究が進められているらしい。この学問はあらゆるものを対象とするため、その学問的性格を知ることは容易ではないが、本書はその膨大で複雑な言説を丁寧に概説してくれる。カルチュラル・スタディーズが「理論と実践を不断に繋ごうとする営み、運動」であることを押さえたうえで、この学問領域の成立と発展を、様々な学派の系譜やそれに並行する哲学、思想、社会学などを横断しながら辿っていく。

2012/09/20

感想・レビューをもっと見る