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仏教論争 (ちくま新書)

仏教論争 (ちくま新書)

仏教論争 (ちくま新書)

作家
宮崎哲弥
出版社
筑摩書房
発売日
2018-05-09
ISBN
9784480071347
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仏教論争 (ちくま新書) / 感想・レビュー

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yutaro13

仏教の中核教義である縁起について繰り広げられた2度の論争について評説。1度目は1920-30年頃の木村泰賢、宇井伯寿、赤沼智善、和辻哲郎、2度目は1978-80年の三枝充悳、舟橋一哉、宮地廓慧によるもの。名だたる学者であっても縁起説を論じるとき、人間の根源たる実体・実覚から離れることがいかに困難かがわかる。新書なのにまったく一般向きの内容ではないが、和辻哲郎が近代仏教学から輪廻や業の考察を駆逐したという疑惑を晴らしたのは本書の功績だろう。むしろなぜ一般に和辻が輪廻否定論者とされているのかが謎である。

2019/06/02

ホシ

う~ん、難解。「縁起」を巡る諸賢の論争を評説するとともに、彼らが陥った理論の陥穽を解説する本…かな。よく聞く「無常」は”概念”ではなく、例えるなら、人が蛇や虫を見て「気持ち悪い」と感じる本能的な”感覚”と同一という事。無常も無常であること(無常の無実体)を正確に理解しないならば結局は執着を生む、という事だと解しました。「縁起」や「無常」の言語としての厳密な定義は必要です。さもなければオウムを生みます。しかし、概念に、言葉に弄ばれてはならない。そんな事じゃないかな。上座部仏教にも興味が湧きました!

2019/06/14

禿童子

宮崎哲弥はテレビのコメンテーターとしてしか知らなかったけど真面目な仏教学者だったんだと再認識した。仏教の核心の一つである「縁起」について戦前、戦後と2度にわたり論争があったことを詳細にトレースして、論争当事者の和辻、木村らの議論の背後にあった大正生命主義、仏教のポストモダニズム化などの時代思潮を浮き彫りにする。仏教の根本をゆるがす実在論への接近から全体主義との抱擁、オウム真理教による放埓な十二支縁起の改変など「何でもアリの仏教」が生み出す魔境を告発している。文語表現が多いので難解に見えるが話の中味は平易。

2018/07/08

PAO

和辻哲郎から麻原彰晃まで仏教の「縁起」という曖昧な概念・空想を実体化しようという日本社会ならではの仏教の哲学化は多くの人を誤解させていることがわかりました。また「縁起」といってしまえば僧侶も檀家たちに脅しをかけ、お布施をいただくことが可能となりますね。これは仏教の日本独自の発展(退化欺瞞堕落?)であり、更に神秘的な「東洋哲学」として取り上げられてしまうことが「罠」となり、それがもたらす「危険」を感じます。私達はもっと仏教を突き放して考えるべきなのでしょう。巻末の『十二支縁起観」小考もとても参考になります。

2018/06/03

マープル

まず、この本を読む前に、ニコ動のゲンロンチャンネルで著者の対談(相手はあずまんではなく朝日新聞記者)を見ていたので、事前情報として「大正生命主義」というのが重要らしいというのはわかっていた。ところがこのキーワード、ググってもいい情報に当たらないのだ。ウィキペディアにもないし。で、本書を読めば何がしかの説明があるだろうと思ったのだが、よくわからない。一応、ニーチェやショーペンハウアーの影響下に出てきた思潮らしいのだが。力への意志っぽい何かなんだろう。

2018/07/23

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