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排除の現象学 (ちくま学芸文庫 ア 2-3)

排除の現象学 (ちくま学芸文庫 ア 2-3)

排除の現象学 (ちくま学芸文庫 ア 2-3)

作家
赤坂憲雄
出版社
筑摩書房
発売日
1995-07-01
ISBN
9784480081988
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排除の現象学 (ちくま学芸文庫 ア 2-3) / 感想・レビュー

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(haro-n)

月末から月をまたいで、慌てて読んだ上に、感想書くまでに間が空いたため、内容が飛びました。意識・無意識に働く排除の集団心理を様々な社会現象の根底に見出だし、検証し、その実態を明らかにしようとしています。「いじめ」や「精神病と犯罪」などの章は、大変興味深く読めました。民俗学的なアプローチもしていました。今度はじっくり読んで自分なりに考察した内容も加えた感想を書きたいです。近いうちに要再読です。

2017/10/31

燃えつきた棒

序章「さらば、寅次郎の青春」 『フーテンの寅次郎は、映画のなかではたしかに、ユーモアあふれる愛すべき道化的主人公である。しかし、現実には、寅次郎は家郷を逐われたはみだし者、つまり、下町という人間=共同体にうまく馴染めず、そこに定住の場を確保することに失敗して出奔した逸脱的な異人にほかならない。—中略—疑いもなく、映画『男はつらいよ』は、フーテンの寅という名の異人をめぐる怖るべき排除の物語である。

2019/06/21

ハチアカデミー

C+ とどのつまり排除とは、身体感覚の問題である。どこに自分と他者の境界線を引くのか、何を基準に差別化をするのか。西洋型の閉鎖された居住空間は、人間の個を狭め、また強固なものとした。隠すべき重大なこと重要なことなど存在しないのに、それがあたかも己の根元であるかのように。肥大化した部屋=自我を強固に守ろうとする一方で、他者の承認や共感を求めるが故に、言葉は空疎な定型化す。無難でだれも傷つけないかのようなものとして。それが根拠も無しに定着すると、絶え間なく変化する社会の空気となり、人々を支配する。(続く)

2012/08/04

鬼束

かつては、差別という明確な線引きはあっても、弱者に対する憐憫の情に基いて、社会的に包摂していく雰囲気があった。しかし現代においては、弱者は汚らわしく、目障りな者として扱われ、彼らを排除することを通して「健全な」人々のコミュニティは均質性を保ち、結束力を高め、より純化された集団へと自己生成を遂げる。その集団は常に、内部から生贄となる排除対象を見つけ出していかなければ維持できなくなるところまで行く。「物語は差別の構造を下敷きにすることなしに、はたしてよく輝くか。」という著者の言葉には考えさせられる。

2016/03/23

「異人論序説」に続いて。80代当時の社会問題と異人論。照らし合わせて見えてくる物は…自分自身の「異人」「境界人」としての立ち位置と意識の持ちようを深く考えさせられました。

2018/07/10

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