読みたい本がここにある

Facebook Twitter LINE はてブ

東京の下層社会 (ちくま学芸文庫)

東京の下層社会 (ちくま学芸文庫)

東京の下層社会 (ちくま学芸文庫)

作家
紀田順一郎
出版社
筑摩書房
発売日
2000-03-01
ISBN
9784480085450
amazonで購入する Kindle版を購入する

東京の下層社会 (ちくま学芸文庫) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

橘@お休み

職場の先輩からお借りしました。資料として読んでいたのですが、ついこの間まで日本はこんな感じだったのだなぁ…と驚くことしきりです。今も、労働力は使い捨てみたいなところもありますが、この頃はもっとひどく、寧ろ人間扱いされてないです。前半はまだどうにか、でしたが、もらい子殺しくらいから辛く、娼婦・私娼・女工はしんどかったです。夢に見ました。働いても働いても楽にならない。搾取される生。福祉についてはまだまだ充分でない気がしました。表から見えなければいいのか…ううむ。

2019/05/19

くらひで

明治以降の東京の最貧民層の生活の実態について取り上げた文献を整理したもの。社会保障という観念が未熟なまま、富国強兵と資本主義的競争原理だけが先行した結果、階層の二極分化と都市による地方の搾取が横行。スラム、娼妓、女工などの極貧層の生活の生々しいまでの悲惨さがリアルに書かれていて、少々滅入る。しかし、その見たくない現実を無視してきたことの近現代社会の歪みこそが今なお現存する問題であり、貧困に対する社会的認識の未熟さと前時代的な人間観の歪みに警鐘を鳴らしている。

2015/11/30

刳森伸一

明治から昭和初期にかけてのの東京のスラム街の劣悪な環境や、遊女、女工などといった弱い立場の人々の酷い生活を様々な資料から読み解く。その背後には、搾取のシステムと、貧困に苦しむ人々に対する無理解と想像力のなさがある。そして、その社会風土が現代日本にも脈々と受け継がれていることに憤りと哀しみを覚えずにはいられない。

2018/12/04

Rion

明治から昭和初期にかけての女工、遊郭、東京スラム街を、横山源之助の「日本の下層社会」など様々な文献を利用して姿を追っていく。また、当時のルポからみるに、日本の福祉概念が極めて乏しいことも浮き彫りになる。日本のジャーナリストが貧困、スラム街問題を意識しており、政府批判も体当たりの実証をもって行われている。安い女工の労働力と過酷な搾取によって繊維業が持ち上がったことを考えれば、自分が手にしている工業製品もどこかの誰かが搾取されているのではないかと考える。貧困には欠乏しかなく、文化はないという言葉が身に染みる。

2017/11/30

ドウ

明治から戦前頃まで、東京のスラム街や下層労働者階級の暮らしのひどさを、当時の資料を読み解いてまとめた本。下水を流れる米粒を拾って糊口をしのぐ人がいたことなど、描写される生活の様子は衝撃的。見学した某国のスラムよりこの東京のスラムの方が不潔に思え、日本人は清潔というのも現代のイメージに過ぎないと気付く。調査量や扇情的な文体は目を見張るものがあるが、スラム住民のプッシュ要因への言及が殆どなく、章立てなど書物としての構造(起承転結)が拙い気もするなど、中学社会の資料集のようで、読み物としての面白さには欠ける。

2019/07/05

感想・レビューをもっと見る