フーコー・コレクション〈2〉文学・侵犯 (ちくま学芸文庫)
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フーコー・コレクション〈2〉文学・侵犯 (ちくま学芸文庫) / 感想・レビュー
子音はC 母音はA
「侵犯への序言」バタイユの(侵犯)という概念を神の存在という観点から解釈しカントの弁証法からニーチェの(神の死)の哲学を横断しながら矛盾に満ちた全体性を嘲笑う限界を導くのが侵犯だと断ずる。さらには、侵犯の概念を敷衍し20世紀の消費・過剰社会を捉えていく。粉飾的言語。「かくも残酷な知」を読む。残酷な知-声、仕草など全てを包括する言語を用い、主体と客体の転倒、身体への侵犯、存在の曖昧を図る知的ゲームの方法論がここには書かれている。文学作品(サドなど)を援用しながら言語の快楽を語る。この本の中で一番出色。
2014/08/13
ラウリスタ~
フロベールのあたりの話は面白い。とはいえ、膨大な予備知識がないとこの話に全く付いていけないことはよく分かった。
2012/12/31
∃.狂茶党
独立した文章の集まりですので、個々の感想は省きます。 オリジナルは編年だったのではないかと推測しますが、この本は一応テーマごとに編まれています。 (関連する文章が別の巻にあるのはオリジナルもなんだろうか?) 色々と、特に最後の作品では大きく、フーコーの考えが動くのですが、正直色んなジャンルを行き来しつつの、文学関係の文章たちであるのだから、編年で編まれた方が良かったんじゃないかと疑問を持ちつつ読了。 編者の解説という名の文章が、暴走気味で、正直引く。
2021/08/30
静かな生活
81点*実際のところ測定不能。羅列されている諸古典作品については全くの無知だが、とにかく形式的に作品を語るのをやめろ、ということか。侵犯というモチーフが秀逸。優れた表現形態はあらゆる境界線を無化するのだ。フーコーのこの超越論的な視線はその実践だということだろう。
2020/02/16
Yuki
「侵犯」は、差延的であり、現代の否定神学の途を示唆するような概念に感じながら読みました。/海外文学に興味がなく、そのうえ、相変わらずの晦渋さ。頑張りました。
2017/04/23
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