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山水思想: 「負」の想像力 (ちくま学芸文庫 マ 25-3)

山水思想: 「負」の想像力 (ちくま学芸文庫 マ 25-3)

山水思想: 「負」の想像力 (ちくま学芸文庫 マ 25-3)

作家
松岡正剛
出版社
筑摩書房
発売日
2008-04-09
ISBN
9784480091420
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山水思想: 「負」の想像力 (ちくま学芸文庫 マ 25-3) / 感想・レビュー

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i-miya

2010.12.03 (副題) 「負」の想像力。(背表紙裏書―解説の一部) 中国渡来の山水画に日本的なもの見出す独自な画風―いつからか。日本画とは何か。松岡の叔父は横山操と親交。枯山水―「負の山水」。水墨山水画に日本文化独自の「方法」。(松岡正剛) 1944、京都生まれ。編集工学研究所長、イシス編集学校校長。(あとがき) 「主題」よりも「方法」に関心。モンゴル元王朝。

2010/12/04

白義

等伯の松林図には不思議な気配がする。全体的にはおとなしく、静的でありながら観る者の精神を解き放ち、浮遊させる動的な想像力が絵画全体を支配している。虚実の律動を感じさせる画だろう。本書はそうした山水画を中心に、日本画の系譜をたどり直し、その方法を探求する気合いの入った絵画論。そして、卓抜な比較文化論でもある。枯山水の負の想像力、思想に肉薄した傑作で、著者が松岡正剛だけあって山水画周辺の総合的文化史のおさらいにもなる。日本画を観る目が変わる名著の一つ

2012/06/06

ゆうきなかもと

再読 本阿弥光悦の存在が気になって、とりあえず家にある松岡正剛の本を手にとった。 光悦への手がかりとしてはわずかだけれど、日本の、水墨画の美学、山水画の美学の由来はわかった気がする。 たぶん、藤原定家と和漢朗詠集、そして道元、夢窓国師を追いかけることで、日本の美意識の根本を知ることができるのではないか。 そう思った。

2018/12/04

miharasi_mamiya

面白かった。横山操から始まって水墨画の長い旅に付き合わされる感じだった。中国から入ってきた水墨画がどう日本独自のものになっていったのか。西洋美術のアングルとドラクロワの対比などの例が出てきたり。

2012/11/11

yoshi41101

山水画から見た松岡節日本論だった。それも相当の覚悟で書いている。セイゴオ翁にとっては、雪舟、等伯、横山操、内村鑑三など先達の葛藤が己の葛藤と強く激しくリンクしたのだろう。いまも近代化を迫られた江戸末期ないしは違式へと陥りつつある明治政府のような状態かもしれない。そこで激しく抗らった鑑三・天心・稲造のような闘いに、これから我等も直面しなければならないのだろう。最終章「違式と越境」は読むものの心を熱くさせる。外圧に対してはいったん凹んで受け止めて、その負の瀬戸際を越えよう、ここから動けなくても何かできはずだよ

2010/06/18

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