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音楽機械論――ELECTRONIC DIONYSOS (ちくま学芸文庫 ヨ-1-10)

音楽機械論――ELECTRONIC DIONYSOS (ちくま学芸文庫 ヨ-1-10)

音楽機械論――ELECTRONIC DIONYSOS (ちくま学芸文庫 ヨ-1-10)

作家
吉本隆明
坂本龍一
出版社
筑摩書房
発売日
2009-08-10
ISBN
9784480092274
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音楽機械論――ELECTRONIC DIONYSOS (ちくま学芸文庫 ヨ-1-10) / 感想・レビュー

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原玉幸子

追悼坂本龍一。「批評家は音楽に関しては所詮二流」等の言葉の小気味良さもありますが、坂本が1985年当時の前衛/先進音楽からユーミン、前川清に至る迄を言語化しているその鋭さに吃驚しました。そもそも、無理のある吉本が「知っている」「感じている」を繕っている気がするので、音楽の可能性と限界、そして坂本の作曲のインスピレーションを知りたいとの興味で言えば、(本書自体、坂本と「知の巨人」の取り合わせがウリだったのでしょうが)対談者は吉本でない誰か他の相応しい人がいたのでは。誰とは言えませんが。(◎2023年・夏)

2023/06/10

サイバーパンツ

はっきり言って二人の話は全然噛み合ってないのだが、クラフトワークの平板で心地よい退屈さにピンと来ないおじいちゃんな吉本が聞き役に徹することで、坂本から言葉を引き出す良い対談になっている。意識的な盗作の話や海外から見たオリエンタルなトンチキ日本を演じてみせるYMOの話から、テクノポップの精神性とおたく的なものの連続性を思い、椹木野衣の『シミュレーショニズム』や『テクノデリック』を読み返したくなった。

2022/01/31

へくとぱすかる

音楽への実践がほとんどない吉本さんが、坂本さんと音楽を最前線で語るというのがスリリングだし、音楽の本質に迫れる対話になっているところに凄さを感じる。30年近く前の論考だけど、音楽の現場ではここまで音を解体して計算しつくしているという現実に、驚く他はない。

2013/11/11

manmachine

「吉本さんは根本的に音楽が分かってない」(by坂本『EveCafe』)

2009/09/01

OjohmbonX

最後の方で、音楽のマジ批評ってまだない、どうしても比喩になるか構造分析にしかならなくて、音楽そのものとは離れちゃうという話をしてて、もし批評があるとすれば、どうやってその音楽が現にそこにある(あった)のか、その様態を見せてくれるようなものだろうなと、例えば蓮實重彦の「『ボヴァリー夫人』論」を思い浮かべながら想像してた。あと吉本隆明が坂本龍一に歌謡曲をいくつか聞かせて「なんかイライラしちゃう」と言わせてて、なんだこれは。坂本が吉本に歌のない現代音楽を聞かせる、吉本が坂本に歌のある大衆音楽を聞かせるという本。

2014/10/19

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