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自発的隷従論 (ちくま学芸文庫)

自発的隷従論 (ちくま学芸文庫)

自発的隷従論 (ちくま学芸文庫)

作家
エティエンヌ・ド・ラ・ボエシ
西谷修
山上浩嗣
出版社
筑摩書房
発売日
2013-11-08
ISBN
9784480094254
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自発的隷従論 (ちくま学芸文庫) / 感想・レビュー

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兎乃

スピノザやヴェイユ好きの身の上として、16世紀に18歳のラ・ボエシが記した本書を読むのは“今”と思う。とりあえず丸呑みして 吐き出されたものが醜い吐瀉物か それとも小さな珠か 時として動かぬ躰を持て余しつつ、ダ。不快を友に、孤独と自足を身につけたい。

2015/10/20

cockroach's garten

恐らく初めて集団心理学に触れた本ではなかろうか。この時代にその事を研究する炯眼もさる事ながら彼が若干16歳から18歳の間にこの小論文を書いたのも彼の知性の卓越性を物語っている。封建的な社会構造によって自発的に服従をする国民は生まれ持ってして服従を教えられた者であるとの見解が記されている。

2018/05/30

白義

支配者とは、支配する圧倒的多数の民衆よりも、本来か弱い存在だ。だから、娯楽をばらまき民衆に自ら自由を放棄させたり、自らの権威にへつらう取り巻きの小圧政者を用いながら「自発的に」自由を捨てさせるよう仕向けなければならない。自由という本性に代わり慣習の毒を注ぎ込み、別の本性を植え付けなければならないのだ。そう激烈に君主や権力者を批判するラ・ボエシが、その実人生に当たってはフランス王権の忠実な臣民であり、どうやら心の底からそれを信頼していたことが一見するとかなりミスマッチに見える

2015/01/17

おおた

友田とん氏に勧められた一冊。タイトル通り、わたしたちは至るところで自発的に隷従していることか、改めて驚かされる。著者この時18歳だったって、飛び級で国の評議官になるだけある才能あふれる文章。「圧制者に近づくことは、みずからの自由から遠ざかることであり、いわば、両手でしっかりと隷従を抱きしめること」今のオリンピック見てると実感する一文です。一方で、巻末でヴェイユが言うように「人間の精神は驚くほど曲がりやすい」から、隷従が幸福と考えることもまた人間の本性。これを打開していくことが生きていくということかも。

2021/03/20

活字スキー

【民衆は隷属するやいなや、自由をあまりにも突然に、あまりにもはなはだしく忘却してしまうので、もはやそれを取りもどすことなどできなくなってしまう。なにしろ、あまりにも自発的に隷従するので、彼らは自由を失ったのではなく、隷従を勝ち得たのだ、とさえ言いたくなるほどである】うめざわしゅんのディストピアSFコミック『えれほん』の冒頭で引用されていた一節とタイトルがあまりにもキマっていたので読んでみた。500年前に18かそこらの若造がよくぞここまで、とは思うものの、正直面白い読み物ではなかった。

2021/03/16

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