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「聴く」ことの力: 臨床哲学試論 (ちくま学芸文庫 ワ 5-5)

「聴く」ことの力: 臨床哲学試論 (ちくま学芸文庫 ワ 5-5)

「聴く」ことの力: 臨床哲学試論 (ちくま学芸文庫 ワ 5-5)

作家
鷲田清一
出版社
筑摩書房
発売日
2015-04-08
ISBN
9784480096685
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「聴く」ことの力: 臨床哲学試論 (ちくま学芸文庫 ワ 5-5) / 感想・レビュー

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(C17H26O4)

思うところがあり「聴く」ということについて知ることを目的に読むことにしたのだが、自分を考えることに繋がった。わたしは共振共鳴(共に感じられているかどうかは分かり得ないと思うので共感ではない)してしまいやすい性質だと思っている(人から苦笑されることもあるし)。そういう性質にある自分の心の動きについて、意味や理由を説明してもらい、更には肯定してもらったような気がして気持ちが落ち着いた。もっと早く読めていたらとも思うが今だから読んだのだろう。本は付箋だらけ。未消化のところが多々ある。要再読。次回はノートを取る。

2022/06/06

壱萬弐仟縁

99年初出。知識ではなく智恵の粋とされる哲学的な知こそ、経験をくりかえし折り重ねるところではじめて、織り目のように浮かび上がる(020頁)。哲学は知識の根拠と意味を問う。哲学は科学の可能性と限界を問う(053頁)。解脱とは自己を自己自身から遠ざける技法で、救済は逆に、自己とは異なるものをうちに呼び込む技法(098頁)。臨床の場:ケアするひととされるひとが反転、接触する臨界面(202頁)。キュアを担当する医師は行動を限定する。ケアを担当する看護はひととしてかかわらざるをえない(204頁)。

2015/06/13

fishdeleuze

聴くことは難しい。しかし例えば、なんの方法ももたず、批評意識ももたずただ寄り添うようによって聴くことができるようになってはじめて、苦しむ人の祈りとしての声を聴く姿勢ができあがるとヴェイユを引きつつ著者は言う。なぜならば、苦しみの極致にいる人間は、苦しみを表す言葉すらもてないことがあるからだ。ゆえに注意深く寄り添い、耳を澄ますこと。「聴くことは他者を支えるだけでなく、じぶん自身を変えるきっかけや動因ともなりえる」(P.134)。他者論を超えた他者論への試論というべきか。良書。

2015/07/12

紫羊

「聴く」ことについての様々な考察がなされている。答えがあるわけではないが、この先も考え続けるための材料は豊かにある。

2022/11/17

zoe

旅する人は、どこにも帰属せず自由気ままで縛られないで良いかもしれない。一方、彼らは全てを失い、それでも一夜を過ごす場所が必要で、最も無防備な状態かもしれない。本日は3月11日です。なのでそんな感じのメモです。アンテナがそうだから仕方ないです。

2018/03/11

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