稲垣足穂コレクション (6) 僕の“ユリーカ” (ちくま文庫)
稲垣足穂コレクション (6) 僕の“ユリーカ” (ちくま文庫) / 感想・レビュー
Bartleby
読み返すたびにまったく新しい本を読んでいる気にさせられる。未来派・稲垣足穂の、酒精を借りて浄化された宇宙模型。科学の詩。「ロバチェフスキー空間を旋りて」など、以前はいちいち数学・物理本を参照しながら読んだが今おもえば野暮だった。ともかくページを開くと広がるこの清潔感こそ足穂を読む醍醐味だと知る。オブジェの存在理由、使用法を問うても仕方がない。文章は植物のつるのように有機的にもつれあっているけれど内容は至極抽象的なのが面白い。
2023/03/09
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