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悪魔のような女たち (ちくま文庫 は 28-1)

悪魔のような女たち (ちくま文庫 は 28-1)

悪魔のような女たち (ちくま文庫 は 28-1)

作家
ジュール・バルベー ドールヴィイ
Jules BarbeyD'Aurevilly
中条省平
出版社
筑摩書房
発売日
2005-03-01
ISBN
9784480420664
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悪魔のような女たち (ちくま文庫 は 28-1) / 感想・レビュー

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きりぱい

本筋はシンプルなのに、そこに至るまでが長い。発禁処分になったそうだけれど、今読むと表現は直接的でなく意外にあっさり。もっと熱烈に、もっと忌わしく、と心情の訴えてくるところが微妙に物足りない。「深紅のカーテン」は事をどう収めたのか謎が残り、「ホイスト勝負の札の裏側」も、え、赤子は誰の?と疑問が。「ドン・ジュアンの最も美しい恋」は、ドン・ジュアン関係なくて肩すかしながら、オチには、ほう!「罪の中の幸福」は女剣士の造形がいい。「ある女の復讐」は、貴族の名を尊ぶ女とは反対に汚したい女の凄み。ん~まあまあかな。

2012/04/09

刳森伸一

女性をテーマにした短篇集。作者がダンディとして名を馳せるだけあって、文章や内容に独特の美学を感じる。タイトルは『悪魔のような女たち』だが、実際には悪魔というより、女性差別蔓延る世界において自分の意思で動く、まさに人間的な女性が主人公といえる。なかなかの傑作揃いだが、何といっても「ある女の復讐」の凄みに魅かれる。ラストを飾るに相応しい素晴らしい短篇だと思う。

2017/05/22

白黒豆黄昏ぞんび

熱情!

2014/01/31

rinakko

とても面白かった。一篇ずつゆっくり読んだ一冊。フランスデカダンの“宿命の女”たちが、艶に妖に時に清らに笑みながら、各々の物語の中で待ち兼ねている。彼女たちの恋は、華麗な徒花のようだ。語り手が老ブラッサール子爵から聴きだした話「深紅のカーテン」は、下宿先の娘アルベルトの美女ぶりが忘れがたい。他、尊大な美貌の女が黒豹と対峙する導入が素晴らしい「罪のなかの幸福」や、肉体も魂も復讐の道具にした公爵夫人の恐るべき崇高を描く「ある女の復讐」がとりわけ好き。「無神論者の饗宴にて」の凄まじい終盤からラストのおちもよかった

2012/06/26

hgstrm2

没落を目の前にしながらも、その心意気と矜恃とを炸裂させるフランス貴族の気迫と凄み、ダンディズムに満ちていて、圧倒される。人間として豪奢、とでもいおうか、非常に強い、人間の魂の力のようなもの。「悪魔の最高のご馳走、それは無垢である。」にはしびれた。まさに悪魔的な小説ばかり。

2014/10/20

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