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樋口一葉和歌集 (ちくま文庫 ひ 10-4)

樋口一葉和歌集 (ちくま文庫 ひ 10-4)

樋口一葉和歌集 (ちくま文庫 ひ 10-4)

作家
樋口一葉
出版社
筑摩書房
発売日
2005-12-01
ISBN
9784480421043
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樋口一葉和歌集 (ちくま文庫 ひ 10-4) / 感想・レビュー

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双海(ふたみ)

なっちゃん(樋口夏子)の和歌集です。書名が短歌ではなく和歌というのがまたよい。「歳暮月  くれて行く年の道さへみゆるかとおもふばかりにてる月夜かな」(明治24年12月)・・・歳晩の候にぴったりな一首でした。

2014/12/21

マリカ

24歳で短い生涯を閉じた一葉の、14歳で歌塾に弟子入りしてから晩年までの歌が収録されています。季節ごとの歌は明治中期の時代を反映したような線の細い、淡い美しさをたたえている一方で、恋の歌は桃水への思いが満ちあふれ、筆跡の強弱まで目に浮かぶほど。「芦間より雲井はるかにたつ田鶴のへだたりゆくか君がこゝろも」思わず、はっと、息をのんでしまうような恋歌ばかりです。

2012/02/09

ピンクピンクピンク

歌人樋口夏子さんの作品を新年、春夏秋冬、恋、その他とテーマ別に分け、題詠に沿って並べた和歌集です。門外漢ながら、季節の歌は美しく、恋の歌は情緒豊か、雑の歌は面白味があると思いました。そこに本人が投影されているのか、はたまたフィクションなのかあれこれ考えながら読むのも楽しいです。恋の歌が特に良かったかな。もうめちゃくちゃ可愛い。芯のある女性が詠む恋心に惚れてまいます。誰もが共感したり憧れたりする歌がそこにはあって、色褪せぬ魅力を放っていると思います。樋口一葉さんは本当に素敵です。

2020/07/13

miyuki

11月13日より。題名にある通り、短歌集ではなく和歌集である。近世短歌と近代短歌の間でもがく文人の歌である。作家としての樋口一葉は有名であるが、歌人としては全くきいたことがなかった。それもそのはずで、彼女の歌は題詠的伝統和歌の作歌法の域をそれほど脱していない。わづかに見られる詩的情熱も、伝統的和歌の作詠法を前提に表れているので後世の短歌や詩とくらべるとやはり心詞一致の面で劣っているだろう。しかし近代短歌の影響を全く受けていない歌人の歌として、近代短歌が持っていない良さを存分に持っているのもたしかである。

2014/11/22

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