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吉屋信子集: 生霊 (ちくま文庫 ふ 36-3 文豪怪談傑作選)

吉屋信子集: 生霊 (ちくま文庫 ふ 36-3 文豪怪談傑作選)

吉屋信子集: 生霊 (ちくま文庫 ふ 36-3 文豪怪談傑作選)

作家
吉屋信子
東雅夫
出版社
筑摩書房
発売日
2006-09-01
ISBN
9784480422439
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ジャンル

吉屋信子集: 生霊 (ちくま文庫 ふ 36-3 文豪怪談傑作選) / 感想・レビュー

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かわうそ

怪談といっても超自然の恐怖ではなく人間心理の闇や弱さを繊細に描いた作品が中心。登場する男性は基本ヘタレで草食系男子はこの時代からたくさんいたんだということがよくわかります。

2015/06/18

Kikuyo

自信の屈折した分身、幻想であるのに実体を持っているかのような感覚。悲しい結末や戦争が暗い影を落とすもの。どの作品も味があって良かった。「茶道」のシーンが効果的に使われるものなど独特の気品のようなものが感じられ、美しい表現の中に怪奇そのものよりも人間の内面に潜む「ふとした暗さとか闇」の部分にハッとする。

2019/06/22

ベル@bell-zou

戦争前後の不穏と不安が漂う時世を背景に、市井の出来事として淡々と綴られる物語。生きている人間が一番恐ろしいとはよく言うが、時折、説明のつかない結末に首筋がザワリとする。悪意のない嘘や誤解で利を得、怯える。自らの所業とは信じ難い魔が差す。何かを奪うことそのものに快楽を覚える。心の闇に棲む悪は時に不条理を生み戦後の淀んだ世の中に紛れ運命を導く。中でも「憑かれる」「海潮音」が印象的。最後の随筆4編も興味深い。泉鏡花からの影響や同時代の作家との繋がり。東雅夫さんの解説に読書不足を反省。探した甲斐がある本になった。

2018/05/13

藤月はな(灯れ松明の火)

「花物語」などの透明な切なさが溢れる少女小説で有名な吉屋信子さんが怪談を書いていたことに驚きました。怪談と言ってもミステリー的な要素もある不思議な戦中から戦後の物語という印象を受けました。

2011/08/11

兎乃

先日『花物語』の「燃ゆる花」「釣鐘草」を友人と朗読。瑞々しい少女小説を書いた吉屋信子が、ロマンチシズムを一切加えない非情な視線をもって人間を見つめた時、静かにえぐるような深みをもつ物語がうまれる。すべての文藝好き、幻想文学好きが納得する一冊だと思います。

2012/09/08

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