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君は永遠にそいつらより若い (ちくま文庫)

君は永遠にそいつらより若い (ちくま文庫)

君は永遠にそいつらより若い (ちくま文庫)

作家
津村記久子
出版社
筑摩書房
発売日
2009-05-11
ISBN
9784480426123
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あらすじ

身長175センチ、22歳、処女。いや、「女の童貞」と呼んでほしい――。就職が決まった大学四年生のだるい日常。その底に潜む、うっすらとした、だが、すぐそこにある悪意。そしてかすかな希望……? 芥川賞受賞作家の鮮烈なデビュー作。

君は永遠にそいつらより若い (ちくま文庫) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

津村紀久子のデビュー作にして、第21回太宰治賞受賞作。デビュー作とは思えない充実ぶり。主人公であり語り手の「わたし」は、身長が175cmの「童貞女」(変なのだが、作家がそう書いているので)。おそらくは作家自身がモデルだろう。ただし、小説そのものは純然たる創作だ。青春小説といえばいえるが、つまづきやためらいに満ちていて「わたし」はわたし自身を持て余しているかのようだ。また、うまく発露はできないものの、「わたし」の中にある根源的な正義感は純粋で、しかも存外に強い。その後への可能性も十全に秘めた若々しい小説だ。

2014/01/25

ゴンゾウ

津村さんのデビュー作。人間関係を築くことが苦手な女子大生ホリガイ。小学生の時に起きた男子生徒ふたりから袋叩きにされたことがトラウマになっている。どんなに努力しても変えられない諦め。そんなホリガイが卒業を間近にイノギさんの過去を知り、ホミネ君の死の訳を知り、アスミの事件を知り生への執着に目覚めていく。生きるのは辛くても生きていなければ何も起こらない。

2019/01/05

かみぶくろ

津村記久子さんのデビュー作。大学卒業前の主人公が、日々の人間関係やコミュニケーションに不器用に右往左往しながら、緩やかな絆を構築していく話。ユーモアな筆致を混じえつつ、時に鋭い孤独を見せる主人公含め、キャラクターも個性豊かで楽しめた。‥でもこれ、改題前は『マンイーター』なんですよね。確かに作中では、時にひっそりと、時に荒々しく暴力や悪意が現れる。日常生活の間隙を縫うように差し入ってくるそれらに損なわれながら、それでも前を向いて生きていくしかないっていうのが、作者が最も描きたかった主題なんだろうと思う。

2016/08/06

はたっぴ

津村さんの既読作品の中で、これは衝撃作だった。難しいテーマを折り重ねて描いてあり、まるで現代版『ふぞろいの林檎たち』のようだ。主人公のホリガイは女性の割に体格がよく性格もさっぱりしていて、男性的な面もあるが温かいハートの持ち主だ。それは就職の志望動機に表れており、タイトルにも繋がる大事な落とし所となっている。ホリガイを取り巻く青春は時に切なく残酷なものだが、目の前で苦しむ人がいれば、見なかったことにはしないで救いの手を差し伸べる。彼女の不器用なまでの優しさに心を揺さぶられた。やはり津村さんの小説は面白い。

2016/08/28

☆ゆう☆

ポチョムキンや対人関係に劣等感を抱いているホリガイ。津村さん独特の卑屈で皮肉めいたユーモアを交えながら野暮ったい女性像を上手く捉えていた。物語は、これといって派手さのない大学生の日常が語られていくのだが、途中から重い内容になり、気がついたらハードボイルドな展開になっていて驚いた。淡々とした日常の中に、理不尽な暴力や抑圧に対して毅然と対峙する彼女たちの姿勢、また微細な動きの感情の変化が上手に表現されいた。ラストを読み、冒頭に戻る。とても奥の深い作品だった。一度読んだだけではすべて理解しきれなかった気がする。

2014/04/12

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