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息子と恋人 (ちくま文庫)

息子と恋人 (ちくま文庫)

息子と恋人 (ちくま文庫)

作家
D・H・ロレンス
David Herbert Lawrence
小野寺健
武藤 浩史
出版社
筑摩書房
発売日
2016-02-09
ISBN
9784480427663
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息子と恋人 (ちくま文庫) / 感想・レビュー

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遥かなる想い

20世紀前半の英国の家族の物語である。 第一部は 著者の自伝的要素が 強いらしいが、 母の影響が 如実に出ていて 興味深い。 粗野な父と 良家出の母…そして 兄弟たち …読んでいて なぜか懐かしくなるのは 昔ながらの道徳観からなのだろうか? 若いミリアムと 人妻クララとの対比も 古典的だが、繊細で心地良い。 ポールの母への依存度が ちょっと気になるが… 最後は、 自立の曙光がほんのりと灯るような、そんな 終わり方だった。

2019/04/14

ケイ

今の言い方では、ポールと母は共依存なのだろうか。母は、夫からは得られなかったものを息子から得ようとする。客観的に見れば明らかなのに、きっとモレル夫人には無意識の行動だろう。愛する者を自由にしたい、愛する者を独り占めにしたい、愛する者の視界の真ん中には常に自分がいたいという欲求。客観的にみれないから、その欲求の醜さや恐ろしさに自らは気付けない。そして、ポール自身は、今一つ冴えない男であったからこそ、母のもっとも愛する者であろうとした。愛が呪縛であると気付いた時の彼の葛藤の場面は息苦しくなるほどだった。

2017/02/05

NAO

宗教的に厳格な母親に溺愛されて育ったポール。ポールが自分のすべてを愛する女性に与えることができないのは、彼の精神を常に母親が支配しているからだ。ポールはそれを痛いほど感じていながら、それでも、母の影響から逃げ出すことができない。この話はロレンスの自伝的要素が強いという。あまりにも強い母の影響から逃れるためにロレンスはかなり苦しんだようだが、いびつな家族環境が子どもの精神に及ぼす弊害を、わたしたちはもっと知っておくべきなのかもしれないと思った。

2016/03/08

やいっち

彼の生涯は1885年9月11日 - 1930年3月2日。  ってことは、44歳での没。  今更ながら、密度の濃い生涯。しかも、『息子と恋人』(1913年)、『虹』(1915年)、『チャタレー夫人の恋人』(1928年)。つまり、本作『息子と恋人』 は、28歳の作。読了後、訳者あとがきを読んでその事実を知り、少なからざる衝撃を受けた。 『チャタレー夫人の恋人』にしても、43歳の作。

2018/04/07

シグマ

飲んだくれで暴力的だが妻の妊娠中は優しく協力もする父、貧しい家を切り盛りしなんとか家の調和を築く母、女にうつつを抜かし死んでしまう兄、母親を恋人のように扱うことをやめられない主人公。ヴィアンの「うたかたの日々」を彷彿とさせる、喜劇的な悲劇の長編だった。主人公が女と話すときやたらと説教がましいのがややしんどい(解説ではそんなことないと書かれていたが)。ミリアムはどうしてあんなに他の女に嫌われるのだろう、たしかに男の物をやたらと漁るのはぞっとするが。

2017/01/19

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