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ヒトラーのウィーン (ちくま文庫 な 27-6)

ヒトラーのウィーン (ちくま文庫 な 27-6)

ヒトラーのウィーン (ちくま文庫 な 27-6)

作家
中島義道
出版社
筑摩書房
発売日
2015-01-07
ISBN
9784480432438
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ヒトラーのウィーン (ちくま文庫 な 27-6) / 感想・レビュー

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HANA

ヒトラーのウィーン時代を追った本。軽めな為、考察というよりエッセイみたいな読後感を覚える。むしろヒトラーの足跡を追ったウィーン名所記として読めばしっくり来るかも。いくら資料があっても一人の人間を完全に理解するという事は不可能に近く、考察はするもののわからないものはわからないという著者の言葉は好感を抱けた。その割には著者の印象論が多い様な。淡々と足跡だけを追っていれば猶更良かっただろう。それにしても京都にしてもウィーンにしても古くからの歴史を持った都市というのは、何故これほど地霊じみたものがあるんだろうか。

2015/07/24

金吾

若かりし人間ヒトラーを追っている本です。ウィーンに頻繁に暮らしている著者らしくウィーンの情景が浮かんできます。希望と挫折をしウィーンに愛憎を感じるヒトラーは多くの若者と同じだなと感じました。

2021/06/12

テツ

まだ独裁者とは程遠い、人生と夢とにうっすらと叩きのめされていたウィーンで生きるヒトラー。こうした黒い(とされる)人間のパーソナリティから異常さを探して、一般的な人々とは異なる怪物性を求め安心するのではなく、ただただ平々凡々な落伍者としての側面を辿る。こんな若者そこら中に腐るほど存在しているんですよね。つまり大抵の人間はそうした機会があったのならば、ヒトラーと同程度のことはやってしまえるのだろうなと感じてしまう。勿論ぼく自身も含めて。そうならないための踏み留まれるための護符を求めて人は生きていかないとなあ。

2023/07/08

うえ

ウィーン時代のヒトラーに絞って人物像に迫る好箸。「わが国で出版されている定評ある研究書はすべてウィーン時代のヒトラーは貧しくなかったという…説に加担している、戦後ヒトラーをなるべく悪人に仕立て上げたかったからであろう」「彼には基本的に他人が必要ない…まったく孤独を感じないほど孤独だった」「「恐るべき真面目さ」あるいは最高の真面目さこそ、ヒトラーの性格を解明するキーワードである…大真面目で第三帝国を組織し…大真面目でユダヤ人全滅を意図し実行したのである。その異様な真面目さに夥しい人は惹きつけられたのだ」

2015/12/31

tsubomi

2015.09.14-10.08:ヒトラーの青年時代について考察した一冊。住んでいた場所や訪れた場所に著者が赴いて距離や現在の様子なども書いているのは参考になります。子供時代、家族・友人関係、学業成績など、政治家以前の彼を周囲の人たちの証言をもとにして推測(あくまでも推測です)していて、まるで現場を見てきたかのような書きっぷりが面白かったです。嘘を繰り返すことで真実だと思いこみ、世紀末の退廃的美を謳歌していたウィーンに対する愛憎を抱き。彼の異常なまでの純粋さと青春の挫折が後の言動につながったのでしょうか。

2015/10/08

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