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つぎはぎ仏教入門 (ちくま文庫 く 27-2)

つぎはぎ仏教入門 (ちくま文庫 く 27-2)

つぎはぎ仏教入門 (ちくま文庫 く 27-2)

作家
呉智英
出版社
筑摩書房
発売日
2016-03-09
ISBN
9784480433299
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つぎはぎ仏教入門 (ちくま文庫 く 27-2) / 感想・レビュー

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ちゅんさん

仏教を信じているわけではなく、専門的に学んだわけでもない著者が書いた仏教入門書。著者の本は『現代人の論語』に続いて2冊目。切れ味鋭い語り口でなかなか面白かった。仏教のみならずキリスト教など他の宗教とも比べてわかりやすく興味深く書かれている。少しだけ仏教への理解が深まった気がする。良書

2021/05/11

KAKAPO

著者の呉智英さんは《仏教の専門家ではない私が書いたものであるからには「つぎはぎ仏教」にならざるをえない。》と仰っていますが、釈尊が開いた仏教の教えや歴史は、どんなに立派な研究者が可能な限り体系的に書こうとしたとしても、少ながらず「つぎはぎ仏教」にならざるをえないわけです。むしろ私は、この本が、仏教を他の宗教と比較したり、他の研究者が参照していない資料から得た情報を提示したり、著者が自分の信念を述べることで、実に面白い読み物になっていることに魅力を感じます。

2019/04/20

booklight

「封建主義者」「知識人」を自称(笑)し、非仏教徒である呉智英による仏教論。釈迦の言ったことが仏教という初期仏教から説明。縁起、無常、無我を説く理知的な「覚り」宗教とするも、無限で確固たる自我を求める在家の助けとなりにくく、「慈悲」の大乗仏教が生まれたとする。その後、中国に入り「孝」の思想が入り、偶像崇拝や浄土思想が入り、今の奇妙な仏教にたどり着く。最後に自己愛が強くなった現代に、仏教の無我を説くことが哲学的使命ではないかと結ぶ。非仏教徒ならではの整理、大小両方への批判、キリスト教比較などが面白い。

2021/10/16

ねこさん

入門と言うより大乗仏教界への提言、その論拠のために不可触になっている宗派の矛盾に触れながらそれらを概括する内容で要約の仕方が面白かったし、十代の終わりに老子の「道は常に為す無くして而も為さざるは無し」という言葉に驚いたことを思い出した。あれは回心で同時に公案だった。個人的には大乗の宗派がどうなろうと仏教の重要性は変わらないし、野垂れ死にの中の安息という個人的な基準と国家の行く末は親和しないけれど、様々なアクチュアルな苦、儘ならなさを考える上で現象学や構造主義への理解を深めたいとあらためて感じさせてくれた。

2017/02/19

うえ

名著。「宗教が融和できるとすれば、宗教を融和させる力を持つ宗教以上のものがなければならない。それは、現在考えられるものとしては世俗権力だけである」「名古屋に覚王山日泰寺という大きな寺がある…日本唯一の本物の仏舎利(釈迦の遺骨)が祀られている寺で、特定の宗派に属さず、諸宗派の共同運営となっている」「仏教の開祖は釈迦である。その生没年については諸説あるが…ほぼ同時代に、孔子、ソクラテスがいる。哲学史の縦糸となる人物が同時期に出現したわけであり、哲学者のK・ヤスパースは、この時代を「軸の時代」と呼んでいる」

2016/03/31

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