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昭和前期の青春 (ちくま文庫 や 22-35)

昭和前期の青春 (ちくま文庫 や 22-35)

昭和前期の青春 (ちくま文庫 や 22-35)

作家
山田風太郎
出版社
筑摩書房
発売日
2016-01-07
ISBN
9784480433312
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昭和前期の青春 (ちくま文庫 や 22-35) / 感想・レビュー

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getsuki

タイトルの通り、昭和前期に青春時代を過ごした著者の姿が楽しめる一冊。太平洋戦争に関する記述も多く、山田風太郎の思想の一端を垣間見る事ができる。

2016/02/26

おやぶたんぐ

 前出の「戦中派不戦日記」副読本とでもいった趣き。明治以来の日本人が狂奔して行き着いた先が、あの否定すべき愚行であると喝破し、いわゆる過去の架空戦記を無意味と断ずる。一方で、昭和16年12月8日にハル・ノート受諾の聖断が下っていたならという「若しも小説」には意味を見出し、自らに響く再軍備の低奏音に悩む。…そんな一冊。

2022/11/13

法水

自らの生い立ちや戦争について書かれた文章を集めたエッセイ集。『同日同刻』番外篇とも言うべき「ドキュメント・一九四五年五月」は山風ならではの一篇。旧制中学生だった18歳の時に山田風太郎の筆名で初めて書かれた「中学生と映画」も収録。明治以来、「富国強兵」を掲げてきた日本がまず「強兵」に血道を上げ、終戦で鼻をへし折られてからは「富国」に邁進したはいいが、それだけでは一流になれないことを思い知る、一流になるには「文化」が必要であってそれがいちばんの難問題であることを痛感するであろうという指摘に首肯。

2016/02/28

Katsuto Yoshinaga

『戦中派不戦日記』等を読んでいれば、さらに楽しめたのではという感がするが、残念ながら未読である。かわりに、先日『青春探偵団』を読んだばかりで、本書の『僕の危機一髪物語』をはじめ映画に関する件を書いた文章は楽しめた。山風先生にやんちゃな少年の印象を持っていなかったので、意外であり新鮮さを感じる。また、太平洋戦争に関する件も、氏の戦争に関する作品を読んでいないこともあるが、飄々とした筆致ながら右寄りな発言をあからさまにしているところも意外であった。稗史の史観で物語を紡ぐ山風先生の青春への思い入れなのだろうか。

2016/01/17

オサム

太平洋戦争に対する見方には全面的に同意。パックスアメリカーナに浮かれたニューディーラーによって刷り込まれた日本の自虐史観について、あの戦争を経験した世代にはこう考えていた方も実は多かったのだろう。ま、今でも憲法改正を絶対のタブーだと主張する人も少なくはないが。団塊世代が去った後、この問題はどう着地するんだろうか。 作家になる前の若い時代について書かれたエッセイが多く、いきおい両親の、そして自身の青春時代に思いを馳せた。

2022/06/07

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