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吉本隆明という「共同幻想」 (ちくま文庫 く 27-3)

吉本隆明という「共同幻想」 (ちくま文庫 く 27-3)

吉本隆明という「共同幻想」 (ちくま文庫 く 27-3)

作家
呉智英
出版社
筑摩書房
発売日
2016-10-06
ISBN
9784480433923
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吉本隆明という「共同幻想」 (ちくま文庫 く 27-3) / 感想・レビュー

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厩戸皇子そっくりおじさん・寺

批判的吉本隆明論。論ずるのは呉智英。ならば面白いに決まっている。という訳で一読。いやぁ難しかった(笑)。この難しさは吉本の特殊な言語感覚と文章の不味さによる所が大きい。これを呉が時にリライトしてから批判する。その意味でも本書は労作であると思う。難解を通り越した不可解で書かれた文章はリライトしてもやはり不可解であったりする。老年期の吉本の本の大半が語り形式であった事を改めて思う。語り形式がメインになったのは糸井重里による『悪人正機』からだろう。何故か呉は吉本を復活させた信者・糸井には触れていない。気になる。

2016/10/14

のり

吉本を論じた本はほとんど「礼賛」するようなベタ褒め本が多く,本書のような批判的位置から書かれた本は刺激的だった。また,その中身も当たっているように思われ,頷くことが多かった。私のような若い読者には吉本はただ「すごい人」と喧伝されるのみでその本質が掴み切れないところがあり,本書はそこにフィットする感覚があった。もっとも,吉本の姿勢や問題意識には感心させられる面も当然あるわけであり,その点は筆者も同様であり,安心した。魅力的なタイトルにふさわしい,魅力的な内容が終始一貫した態度で論ぜられ,わかりやすかった。

2016/11/03

柳田

日本版『知の欺瞞』。吉本隆明の著作を分析、その思想が非論理的で無内容であることを明らかにしてゆく。小谷野敦が出たのが遅かった、と言っていたが、こういう本がちくま文庫で読めるようになっているのはいいことだと思う。まあ吉本は学者ではなく詩人だから、言っていることが論理的に正しくなくともさほど問題はない。読んだことはないが、今後も読むことはないだろう。まあこれしか読んでいないと誤解するところがあるだろうし、信者は酷い本だと言っているらしい。しかしドゥルーズやデリダならまだしも、吉本を理解しようという動機がない。

2018/07/10

mstr_kk

吉本隆明はじつは大したことはいっていなくて、「天然」のメチャクチャな論理と悪文のせいでありがたがられているだけの、教祖のような存在だ、と述べる本。僕は団塊ジュニアで、吉本が大好きですが、面白く読みました。というのも僕自身、吉本の論理や文章に疑問を抱きながら読んできたからです。しかし、この本を読んでも「やっぱり吉本は好きだなあ」と思います。というのは、吉本を解読することでこちらの思考が活性化するからです。吉本の文章には、読者の思考を変えてしまう力があると思います。何となくわかった気になってはダメですが。

2017/02/28

 

「吉本は、しばしば、下町の船大工の息子と称していた。船大工といっても造船会社の経営者である。三井造船や佐世保重工などの財閥系の大造船所とは比較にならないが、それでも従業員を何人も使い漁船を作っていた造船会社である。その経営者を船大工と言うのなら、家電メーカーの社長御曹司も電気屋の息子だし、名門大学の学長令嬢も教師の娘である」

2019/02/08

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