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承認をめぐる病 (ちくま文庫 さ 29-8)

承認をめぐる病 (ちくま文庫 さ 29-8)

承認をめぐる病 (ちくま文庫 さ 29-8)

作家
斎藤環
出版社
筑摩書房
発売日
2016-12-07
ISBN
9784480433954
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承認をめぐる病 (ちくま文庫 さ 29-8) / 感想・レビュー

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ネギっ子gen

【「承認」よりも「関係」であり、「コミュニケーション」よりも「ダイアローグ」】若者の背景にある「承認」問題を炙り出した論考だが、「承認」のみに限らない。うつ病から家庭内暴力、解離からキャラと多種多様な話題が取り扱われる。<「承認」と「コミュニケーション」。/「ひきこもり」にしても「ニート」にしても、あるいは、いわゆる「新型うつ」から就活の悩みの相談に至るまで、どこにでもこの問題がみてとれる。今思い返せば、若い世代の就労動機が、もはや「生活の糧」を稼ぐことなどよりも、はるかに「承認」寄りになっている>。⇒

2023/01/13

harass

図書館本。精神医学専門誌などに掲載した短めの記事をまとめたもの。この著者本業の思春期患者についてやサブカル批評などバラバラだったり少し専門的だったりする。とはいっても、手元に置いておきたいと感じた。個人的にほほうと感じたのは、キレることの対処方法のアドバイスがあった。著者が本業で実際に効果がある助言で、キレることを絶対にしないと何度も言い聞かせておくことだそうだ。キレる人は心の中でキレることを許しているのだという。キレないでおくと後で爆発すると考えがちだが、それは正当化しているだけだと。なかなか面白い。

2017/02/19

たかこ

あとがきにある通り「可愛い表紙に難解な中身」であった。前半の「思春期解剖学」で今の若者文化と若者が置かれている位置がよくわかったが、後半の「精神医学へのささやかな抵抗」は難しかった。今、子どもたちが生きる社会では、「キャラ」が重要である。キャラでクラス内の位置付けが変わったり、棲み分けがされている。他者から必要とされる人間であるときのほうが、自己承認=自己肯定感を安定させるものであるそうだ。承認が数値としてわかりやすく見えてしまう現代だけど、承認よりも関係、コミュニケーションよりも対話である。

2022/12/31

Aster

前半はまさに「承認を巡る病」がトピックであり、多少難しい概念は登場するがかなり読みやすい。後半の内の序盤は現場向けだったり精神分析に疎い人は少し読むのが難しいかもしれない。ただ後半の内の終わりは承認を巡る生き方を論じている部分もあり、個人的にはそこがいちばん良かった。(フランクルの部分)人間の精神病理は記述可能ではないがそれが生活に絡まった時には精神分析という解体をしなければいけない。客観的に見たら以上の様な対処をすれば良いのだけど、実際悩んでいる人はまぁ余裕なんてない。だからこそ人との関わりは重要

2019/09/18

hanchyan@自己ベスト更新

あくまでも個人的になんだけど、常ひごろ漠然と思ってた諸々のよし無い事柄に、力強い後押しを得たような感じ。それはあたかも、黒い着流しの人物に凶悪な面相で「ソレは魍魎だよ」と断定されたかのような(笑) 世代を問わず、こんにちを生きる我々を、なんとなくモワモワ〜ンとした気分にさせるモノに『承認』と名付け、落とす、的な。あるいは、精密検査の結果「あなたの不調の原因は○○です』つって、専門医にズバリ告知されたかのような。さすが、著者は医者だもんな(笑) なんかそんな感じ。様々な媒体への寄稿がまとまっただけあって、↓

2022/02/05

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