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方壷園 (ちくま文庫)

方壷園 (ちくま文庫)

方壷園 (ちくま文庫)

作家
日下三蔵
陳舜臣
出版社
筑摩書房
発売日
2018-11-09
ISBN
9784480435545
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方壷園 (ちくま文庫) / 感想・レビュー

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ざるこ

1900年代初頭のアジア域が舞台。第一部6篇は密室殺人。トリックもだけど細かい人物描写と時代背景、詩が用いられた物語は臨場感と情緒に溢れてとても美しい。方壺園のトリックは特に映像が鮮明に思い浮かび楽しくなった。第二部3篇。「スマトラに沈む」は圧巻。文人・郁達夫の生死は?日本中国インドと渡り歩き成功しても望むのは流浪の生活。思わぬ落とし穴は本人は与り知らぬ誰かの嫉妬心であるという。「紅蓮亭の狂女」の虎女は哀れながら強烈。どれも最後に加害者や第三者の心情が掬い取られるのが多く、それが深い余韻を残す。大満足。

2021/02/24

geshi

著者の歴史への造詣の深さとミステリ愛が注がれた短編集。唐代から戦中までどんな時代でも書けてしまう筆力と、不可能犯罪を自然に入れるミステリとしてのストーリーテリング、作品の質の高いこと。特に良かったのは、意外な犯人と状況を生かした物理トリックと抒情的な終わり方が見事に溶け合わさった『九雷渓』。密室のトリック解明から展開される犯人の告白が心に残る『アルバムより』。史実を基にした親子二代のクーデター劇の面白さが犯人の存在感を際立たせる『獣心図』。

2018/12/27

てんつく

上質のミステリを読んだという満足感でいっぱい。読んだことのある作品も、初読の作品もどれも面白かった。

2019/09/17

有理数

素晴らしい短編集。主に中国を舞台にしたミステリ選集で、様々な時代の「空気」が強く物語に宿っている。とにかく人間たちの交わり、文章、物語が素晴らしい。謎めいた何かしらを追いかけるうちに出会うひとたちのドラマ、嫉妬や羨望、そういった感情のどこか寂し気な迫力。特に中国詩や詩人の類まれなる才能に揺れ動く周囲の人間たちの物語が、舞台や時代、歴史の大きさに包まれるような締めくくりが続き、胸を打たれる。第一部のベストは表題作と「九雷渓」、第二部は三編とも好きで迷うが「スマトラに沈む」のクライマックスは忘れ難い。

2020/11/03

コチ吉

トリックもそれなりに読ませるが、なんと言っても物語の豊穣さと伏線からもたらされる結末の余韻がいずれも印象に残る。

2019/02/27

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