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上京する文學 (ちくま文庫)

上京する文學 (ちくま文庫)

上京する文學 (ちくま文庫)

作家
岡崎武志
出版社
筑摩書房
発売日
2019-09-10
ISBN
9784480436146
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上京する文學 (ちくま文庫) / 感想・レビュー

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佐島楓

断じて自慢でも何でもなく、その逆(劣等感の類)なのだが、自分が東京生まれ東京育ちなので、地方都市の描写ができないというハンデがある。そこを何とかしないといけない。書いているものが薄っぺらいという自覚が自分にあるので。

2019/09/13

阿部義彦

上京組の文学家たちを、岡崎武志さんが短くその文学と周辺を案内してくれます。全部で18名の上京物語。東北在住の私としてはやはり、井上ひさし、寺山修司、斎藤茂吉、宮沢賢治、なんかが身近に感じられて、興味をひきつけられました。それ以外では松本清張、向田邦子も印象的でした。この上京組にかんする評論、いまでも続々編を本の雑誌で、「憧れの住む東京へ」として、連載中でこちらは、文学に限らず音楽家や俳優なども取り扱うそうで、私も毎回楽しみに読んでました。(第一回は赤瀬川原平さんでした)私は上京して夢破れて戻った口ですが。

2020/02/24

チェアー

みんな東京を目指す。一度は。東京になにかがあると思うから。なにかがあると思う人たちが集まることで、実際なにか(に似たもの)が発生する。 だけど、それは本物でない。だから多くの人は東京を去る。去った後、東京に焦がれながら生きる人もいれば、東京を忘れてしまう人もいる。 それが東京。されど東京。

2020/05/21

ハルバル

「上京」を軸に語る作家論。論といっても堅苦しくはなく、いつもの岡崎節で読みやすい。明治期のモダン都市、そして現在の巨大な首都東京への憧れや複雑な思い、立身出世を夢見、または地方の閉塞感から逃れるようにやってきた作家たちの姿に共感できる。根っからの江戸人、東京人には真正面から東京を語るのは「照れ」があるという。郷土愛強い道民の私にはその気持ちはよく分からないものの、他者の目から見れば見馴れた景色も新鮮で驚きの的だというのはいつの時代も同じだろう。この中ではちょっとマイナーな野呂邦暢氏の著作が気になった。

2020/05/19

まこみや

かつて青雲の志という言葉がありました。今ではほとんど死語だけど。近代の日本では、文学に限らず、大志を抱いた若者は、東京へ、さらに西欧へ向かいました。その意味で「春樹から漱石まで」を上京する文学と捉えた岡崎さんのテーマは普遍性があると思います。今後、「上京」というテーマが現在も通じるのか、それともバブル崩壊の90年代以降変わってしまったのかという続編を期待しています。本文の中では、野呂邦暢さんの話が一番好きです。ここで取り上げているエピソードは以前、関口良雄『昔日の客』を読んで印象に残っていましたので。

2019/11/03

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