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消えた国 追われた人々 (ちくま文庫)

消えた国 追われた人々 (ちくま文庫)

消えた国 追われた人々 (ちくま文庫)

作家
池内紀
出版社
筑摩書房
発売日
2019-12-10
ISBN
9784480436344
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消えた国 追われた人々 (ちくま文庫) / 感想・レビュー

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まると

大変面白かった。幾多の名訳を残したドイツ文学者による東プロイセン紀行。ドイツ固有の領土だけど、大戦末期にソ連に分捕られた、稀有な歴史を持つ地域ですね。カントが暮らしたケーニヒスベルクなどの変わりようを見て歩くだけでなく、どの章にも興味深い史実が盛り込まれていて、滋味あふれるエッセイに仕上がっています。池内さんが旅した2000年代は、秘密のベールに包まれていた東欧でようやく「戦後」が発掘され始めた頃。戦時を知る住民がまだ健在で、その証言が何より貴重です。樺太や北方領土について考える上でも、とても参考になる。

2020/11/27

雲をみるひと

今年物故されたドイツ文学者池内紀による旧東プロイセン各地の紀行。ドイツ各地の紀行も出している作者だが、個人的にはそれより良かった。舞台は現在はポーランド、ロシア、リトアニア、ラトビアと広範囲に渡っているが、各地のドイツ統治下時代の姿、その後の変化、各地の現況がよく表現されている。

2019/12/31

ふぁきべ

池内紀さんがどんな人かも知らずタイトルにひかれて購入。思っていた内容とは全く違い、東プロシアの旅行記兼ドイツへの愛があふれたコラムだった。私はそこまでドイツびいきというわけでもないので、独文学者のあふれるドイツ愛に少し戸惑いながら流し読みすることになった。私としては思っていたのと違う、というところだが、バルト海沿岸地域の旅行記は珍しいので、もし行く機会があったらまた読んでみようと思う。

2021/05/07

しんこい

東プロシア、プロイセンの本国ではなかったがドイツの一部だったのがポーランドやソ連に吸収、難民も実は大量に発生。もんだいにされなかったのはナチス侵略の加害者だったからだろうが、実は相当悲惨だし、歴史も文化も根こそぎにされつつ、それでも名残を確認できる。歴史と文化の根深さはすごい。

2020/03/19

アメヲトコ

2013年刊、19年12月文庫化。中世のドイツ騎士団以来の歴史を有し、第二次世界大戦後にポーランド・ソ連に分割された旧ドイツ領東プロシアを三度にわたって旅した紀行文です。町の名前のみならず建築も、さらには街区まで跡形もなく変えられてしまった旧ケーニヒスベルク(カリーニングラード)が哀しい。ナチスの蛮行の影で覆い隠された1200万人ものドイツ難民の存在と、グストロフ号撃沈をはじめとしたさまざまな悲劇も忘れられてはなりません。読みながら樺太は豊原市のことにも思いを馳せました。

2020/01/02

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