KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

向田邦子ベスト・エッセイ (ちくま文庫)

向田邦子ベスト・エッセイ (ちくま文庫)

向田邦子ベスト・エッセイ (ちくま文庫)

作家
向田邦子
向田 和子
出版社
筑摩書房
発売日
2020-03-10
ISBN
9784480436597
amazonで購入する

向田邦子ベスト・エッセイ (ちくま文庫) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

kinkin

向田邦子さんといえば『思い出トランプ』や『男どき女どき』といった小説が有名で私も何度も再読した。そしてエッセイも抜群に上手い方で難しい表現なしに家族や旅、食、そして自分のことのことを書いている。このエッセイ集では父親のこと、飼っていた犬の話が特に気に入った。犬の話ではホロリとさせられた。昭和時代の後半に亡くなられたがもし平成や令和の日本をどんな風に切り取るのかなあ。気になったのがこだわりの品という章のこだわりという言葉。この言葉をいい意味として向田さんは絶対に使わなかったと思う。図書館本

2021/07/10

KAZOO

最近向田さんのエッセイが評判のようで私も何十年ぶりかで手に取ってみました。向田さんの妹さんがいくつかの本から抜粋されて編集されたようです。読んでいて昔の懐かしさとほっとした感じを受けました。時間の動きもゆったりした感じです。ときにはこのような本を読むのもいいと思いました。

2021/10/09

trazom

向田さんは殆ど読んでいる積りだが、ちくま文庫から「向田邦子ベスト・エッセイ」という新刊が出ているのを見て、思わず買ってしまった。没後39年。楽しい再読だった。向田さんの写真を見ると、目ぢからの強さに圧倒される。その鋭い観察眼で、人の心を射抜いてしまう。乾いた文章だからこそ、優しさや哀しさが、余計に心に沁みる。「ゆでたまご」のような名エッセイが収録されていないのは残念だが、このエッセイ集の選者は、あの「字のない葉書」の末妹・和子さんなんだから、文句は言えまい。この本の最後が「手袋をさがす」なのは流石だ。

2020/04/20

ちゃちゃ

私にとって向田邦子は憧れの人だ。ユーモアとペーソスを織り交ぜた軽やかな文章。日常のささやかな出来事を、気の利いた酒の肴でも作るように、絶妙なさじ加減でクスリと笑ってホロリと泣かせ、しみじみと頷かせるエッセイの妙味。まさに昭和の名エッセイストである。本作は、没後40年を機に末妹の和子さんによって編まれたエッセイ集。とりわけ印象に残ったのは本作の最後を飾る『手袋をさがす』だ。自らの感性に嘘をつかず、“人生のお気に入りの手袋”を探し続けた彼女。飽くなき探究心や心意気といった生きざまそのものも、カッコイイのだ。

2021/10/04

アン

向田さんの大切な思い出が詰まった素敵なエッセイ。家族、食事、旅、仕事など日常にある風景を鮮やかに切り取り、解説での角田さんの言葉にあるよう「わかるわかる」と自分を重ね、体験していないのに、共感してしまうのは不思議なことです。頑固で厳しい父と慎ましくも明るい母。戦争を経験される中、家族と深い愛情で結ばれていた様子が全編を通して伝わり、「思い出とは何と強情っぱりなものであろうか」という言葉が印象的。ラストを飾る「手袋をさがす」での、しなやかに自分を見つめる生き方は、私達の背中をそっと押してくれているよう。

2020/06/09

感想・レビューをもっと見る