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落語を聴いてみたけど面白くなかった人へ (ちくま文庫)

落語を聴いてみたけど面白くなかった人へ (ちくま文庫)

落語を聴いてみたけど面白くなかった人へ (ちくま文庫)

作家
頭木弘樹
出版社
筑摩書房
発売日
2020-08-11
ISBN
9784480436887
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落語を聴いてみたけど面白くなかった人へ (ちくま文庫) / 感想・レビュー

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ホッパー

落語の面白さや深みについて解釈してくれる。江戸と上方の違いや、原話に遡ってみるアプローチなど、楽しく読めた。

2022/08/27

ネギっ子gen

【落語に何度も助けられた】「文学紹介者」が、<13年間の闘病生活を落語が支えてくれた>として、落語の世界を懇切丁寧に紹介した文庫本。冒頭は、<「面白くないのがあたりまえ」というところから始めてみたい>と。落ちの面白さや落語の楽しみ方を、34のQ&A形式で紹介。<落語から笑いを取り去ると、じつはかなり絶望的な状況が描かれていることが多い。貧乏のどん底とか、ギャンブルがやめられないとか、女や男に騙されたとか、酒で一生をだいなしにするとか……。しかし、それが人間というものだと、笑って語るのが落語の大きさ>と。⇒

2023/11/20

Yuuki.

きっと、本当に落語は面白くないと思っている人の多くは、この本を手に取らないだろう。ならば、我々落語好きがこれを読んで、「落語の何が面白いの?」的な事を言われた際の説明に備えようじゃないか!という気持ちで読んだのだが、結果的にそんな目的など忘れて夢中で読んだ。小さい頃から散々落語を聴いてきたけれど、これを読むまで改めて考えた事も無かったオチの役割や、目の物語と耳の物語の違いなど、「なるほど」「確かに」と思わされる解説てんこ盛り。今後、落語鑑賞の際に意識を持っていく部分が変わって、より楽しくなりそう。

2021/09/07

imagine

二十歳から難病を患い落語に救われたという著者。そのためか、落語の面白さに対する向き合い方、掘り下げ方、そしてなにより愛し方が深い!落語家自身の手による似たような本もあるが、比較にならないほど役に立った。「耳の物語」と「目の物語」という切り口は、落語以外の物語全般を広く研究したからこそ得られた視点と思われ、たいへん腑に落ちる。『駱駝』に黒澤明の『生きる』を重ねた分析も面白い。『ルーツ』や恐山のイタコを例に挙げ、この書の魅力を真摯に伝えてくれる桂文我師匠の解説も素晴らしかった。

2021/01/06

寿児郎

落語は「面白くないのがあたりまえ」という話から始まり、「落ち」の大切な機能、「目の物語」と「耳の物語」、「演じ過ぎない」、くすぐりの松竹梅、「あえて笑いを減らす」、「細やかな味わいの世界」など、書ききれないほどストライクの連発だった。レイアウト、構成、書籍紹介なども秀逸。 落語って足し算じゃなくて「引き算の文芸」なんだと思った。プラスよりマイナス、ポジティブよりネガティブ、白黒よりグレーゾーン、希望より絶望に価値を見出せる1冊。 この本との出会いは間違いなく大きかった。著者の他の著書もチェックしている。

2020/11/08

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