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翻訳教室 ――はじめの一歩 (ちくま文庫)

翻訳教室 ――はじめの一歩 (ちくま文庫)

翻訳教室 ――はじめの一歩 (ちくま文庫)

作家
鴻巣友季子
出版社
筑摩書房
発売日
2021-02-13
ISBN
9784480437143
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翻訳教室 ――はじめの一歩 (ちくま文庫) / 感想・レビュー

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佐島楓

テレビ番組の企画として、小学生の子どもたちと『The Missing Piece』を翻訳するという試みを通し、翻訳とは何かを見つめる。この本を通して、いかに自分の頭が硬くなっていたかよくわかった。英文法未学習の小学生のほうが、よほど良い訳文を作成しているのだ。英文との向き合い方から見つめなおしたほうがいいのかもしれないと反省し、しかし同時に英語学習に対してかなりポジティブになれた。この作品に感謝したい。

2021/02/17

Takanori Murai

小学6年生に行われた、英語の翻訳の授業。子供たちとのディスカッションは興味深い。これはこのテーマに限らず参考になる導き方だと思う。「翻訳とは深い読書」とある。私は英語を読むことはまずないのだが、翻訳できるほどの深い読書はしていきたいものだ。この本は外国語の翻訳を目指す人はもちろん、小学生に授業を行う機会のある人は読むと良いだろう。あるいは、英語を学ぶ意義に疑問を抱く中高性にもお勧めしたい。

2021/04/12

まこみや

授業の成功は生徒の協働いかんに関わっている。その意味で生徒とはスポーツやコンサートの観客のような存在ではなく、むしろ同じ舞台に立つ相手の役者とかスリリングなゲームを競う対戦者のような存在だ。つまり実りある授業とは教師の側の一方的な講演ではなく、講師と生徒の双方向的なスパイラルな上昇運動によって初めて達成される。この本の魅力はひとえに赤堤小学校6年2組の生徒の一つ一つのすばらしい実践にある。そしてそれを可能にしたのは、生徒の想像力と読解力を信じて一緒に「翻訳」を考えていこうとする鴻巣さんの姿勢があるからだ。

2021/06/04

やまやま

「的確に読む」ことを勧めると書いてはあるが、著者はまずは感性を手掛かりに作文から小学生の指導に入るので、若干理屈と実践は違っているのかもしれない。個人的には翻訳は可能な限り原文の著者の意図を反映するように努力すべきと思うが、言語で表現する以上話し手(翻訳者)のスタイルはにじみ出てくるもので、そのぶつかる二つの価値観、緊張感といったものを大事にしたいという意図は理解できる。ところで、本書はもともと新書で出版されたものであるが、文庫で読むと版組・レイアウトといったものがかなり異質になることが今回気になった。

2021/08/05

たろさ

最近何故か翻訳本が読めないのでリハビリを兼ねて。元はTV番組で著者が母校を訪ね小学生に翻訳を教えるというもの。子供たちが辞書を引き仲間たちと話し合い著者に助言をもらいながら一冊の絵本を翻訳していく。後半は教室を飛び出しインターナショナルスクールでのディスカッション。こんなふうに英語を教えてもらいたかったと子供たちを羨ましく思う。第四章では言語について書かれており其方も勉強になる。大事なのは「的確に読む」というリモートの翻訳講座で学生たちに贈った言葉がとても良い。

2021/09/09

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