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おまじない (ちくま文庫)

おまじない (ちくま文庫)

おまじない (ちくま文庫)

作家
西加奈子
出版社
筑摩書房
発売日
2021-03-12
ISBN
9784480437372
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おまじない (ちくま文庫) / 感想・レビュー

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さてさて

”言葉”というものは、それを受け取る人によって、さらにはそのタイミングによって同じ言葉でもその意味合いが大きく変化していきます。しかし、大切なのは”言葉”そのものではなくて、動けなくなっている自分自身が、如何に顔を上げて前を向いて歩いて行くかということです。そう、本当に大切なのは決して凝りに凝った”名言”や”格言”などではなく、タイミング、そして、その人にマッチする”言葉”、それが、その人の人生を祝福するものになっていく、『おまじない』になっていくこと。なるほどな、と、納得感がとても感じられた作品でした。

2021/12/22

ponpon

お気に入り作家さんの文庫新刊。様々な女性を主人公とした短編集。秀逸は「マタニティ」、ヒロインは38歳の女性。妊娠の可能性に気付き、母親になる覚悟や恋人との付き合い方など揺れる心の内が実に上手く表現している。あとは24歳の自虐的なキャバ嬢がヒロインの「あねご」。途中までの痛々しさが一転する結末が印象深い。「孫係」では、自分の素とは異なる期待される姿を演じることに嫌気が指していた孫娘に、それでもいいんだよと気付かせてくれる祖父が優しい。著者らしい優しい物語群で、温かい読了感に包まれます。薄手だが満足の一冊。

2021/04/05

hit4papa

先への一歩を踏み出す前に、他者からの何気ない一言で気づきを与えられる女子たちが主役の短編集です。小学生、モデル、キャバ嬢、演劇スタッフ、ハーフの高校生などの大きな波乱のない日常が描かれています。それぞれの、深刻ではないもののつまづいている感は、誰もが共感を覚えることでしょう。タイトルと同名の作品はなく、これはテーマを表しているですね。お気に入りは、帰郷した崖っぷちのモデルと変わらぬ人「いちご」、周囲へ合わせてノリで過ごしキャバ嬢になった女子「あねご」、自分嫌いな小学生と祖父の触れ合い「孫係」です。

2022/03/19

エドワード

様々な世代の女性の心の内面を描く短編集。おまじないを信じているおばあちゃんが死んだ。「まじないや縁起なんて自分で決めるもんやねん。」というおっさん、西加奈子ワールド全開!祖父母世代と少女の、暖かくて冷めている交流を描く「燃やす」「いちご」「孫係」もいいね。「正直なことと優しいことは別なんだ。」と教えてくれるおじいちゃまを尊敬するよ。ぶっきらぼうな「お笑い担当」の優しさがにじみ出る「あねご」、母親の明確なイメージがつかめないまま、結婚と出産を急ぐ女性の葛藤を描く「マタニティ」も実に現代的で印象に残るね。

2021/03/28

ふう

8編の短編集。どの作品にも生きづらさを抱えて思い悩む女性が登場します。こんなに辛いのは自分がだめな人間だから。この先どうやって生きていけばいいのだろう。立ち止まる女性たちのそばに、なぜか8編とも年配の男性がいて穏やかでまっすぐな言葉を投げかけてくれます。多分、男も歳を重ねた人間も、同じように思い悩んでいるのだと、そっと伝えてくれているのでしょうか。「ドラゴン・スープレックス」のおおらかさが好きです。おまじないは自分が幸せになるためにある、自分のことは自分で決めていいのだと話してくれたおじさんが好きです。

2022/04/05

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