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愛についてのデッサン ――野呂邦暢作品集 (ちくま文庫)

愛についてのデッサン ――野呂邦暢作品集 (ちくま文庫)

愛についてのデッサン ――野呂邦暢作品集 (ちくま文庫)

作家
野呂邦暢
岡崎武志
出版社
筑摩書房
発売日
2021-06-14
ISBN
9784480437495
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愛についてのデッサン ――野呂邦暢作品集 (ちくま文庫) / 感想・レビュー

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KAZOO

最近野呂さんの本をぽつぽつと読んでいます。この短篇集も表題作となっている連作が楽しめました。父親から古本屋を引き継いだ若い店主が古本を介して様々な人々とのやり取りを描いたものです。ミステリーがらみのものもあったり、長崎が舞台のもあります。この作品以外の作品は若干読みにくいものがあったりしました。

2021/11/07

お気に入られさんがどんどん減るおじさん・寺

『愛についてのデッサン』は、みすず書房版で読んでいたが、こうした新しいパッケージのお陰で気持ち良く再読できた。二十代の若き古本屋である主人公・佐古啓介が謎解きする連作小説。通俗的だと評する人もいる。編者の岡崎武志もテレビのサスペンスに例えて いる。でもそれがいいとしか私には言えないのだ。謎解きながら大袈裟なところは全くない。どの話も良い感じで小さく畳むように終わる。亡父のルーツを知る最終話ですら、些細に終わる。佐古啓介の人生はその後も続くのだ。少し欠けて少し足りないこの小説は、それ故に読み飽きぬ永遠だ。

2021/07/02

ちゅんさん

表題作はかなり好みの連作短編だった。若き古本屋店主が人間・恋愛模様や謎を古書を通して解き明かすという本好きには堪らない内容。登場人物も感じが良く人間の機微がちょうどいい塩梅に描かれていて読んでいて心地よかった。“旅は一人に限る。なぜなら、二人でしたならばもっと愉しいに違いないと思うことが出来るから”など作中の会話も素敵で今年を代表する一冊になりそう。

2021/06/23

まこみや

以前みすず書房版で読んだときは、語りの内容にばかり目を向けていた。今回再読して、その語り口こそが大きな美質だと再認識した。今その語り口を文体と呼ぶならば、その特徴は、①抒情的だが感傷的でなく、②対象との距離のとり方が絶妙で、③解像度の高いクリアな文体といえるだろう。ある意味でそれは明晰な文章だが、その明晰さは、「思考(論理)」の明晰さではなく、「描写」の明晰さである。「語り」の文章の手本たるにふさわしい。

2021/10/03

たま

若い古書店主をめぐる連作6篇を読む。1978年「野生時代」の連載で昭和の風物が懐かしい。顧客は古書店のカタログを見て郵便や電話で注文する。各篇で謎が示されるが、ミステリーというほどもないゆるい謎。その謎解きに古本屋さんは旅に出る。新幹線はまだ「ひかり」だけなので、東京駅でふらりと夜行に乗って翌朝目が覚めると日本海…なんてゆったりした旅もできる。高齢男性がリアルで、若い女性にリアリティがないのも時代の愛敬か。高度成長が一段落してバブルは始まる前ののんびり明るい時代の空気を楽しんだ。

2021/10/26

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