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自分の謎 (ちくま文庫)

自分の謎 (ちくま文庫)

自分の謎 (ちくま文庫)

作家
赤瀬川原平
出版社
筑摩書房
発売日
2022-02-12
ISBN
9784480437945
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自分の謎 (ちくま文庫) / 感想・レビュー

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まーくん

子供のころからの宿題を大人になった今、考える。つまり自分のことだ。自分はどうして自分なのか?アチらのAさんがどうして自分ではないのだろう?自分はどこまで自分なのだろう?切っても痛くない爪は自分なのか?切り離した爪のかけらは何だろう?でも手となるどうだろう?切断されたら痛いだろう。でも痛いのは体の本体の方で、切断された手の方はもう痛くないような気がする。つまり痛いのが自分で、痛くないのはもう自分ではないらしい。…痛いと感じる最後は?それは結局、頭と心臓になりそうだ。こんな風にいろいろな方面から自分について⇒

2022/02/25

keroppi

本屋さんで見つけてパラパラっと読んだら、もう赤瀬川さんの世界に引き込まれてしまい買ってしまった。「こどもの哲学 大人の絵本」というシリーズで、2005年に出版されたものの文庫化らしい。自分というものを素朴に考える思索の旅。短い文章とユーモラスな絵で綴られているが、この感覚分かる分かるとページをめくる。鏡の中の自分が自分を見つめていたり、自分と周囲の境目を考えたり、自分の中の強い自分と弱い自分を見つめてみたり。この思考はかなり深い。このシリーズ、今後もちくま文庫で刊行されるようなので、読んでみよう。

2022/02/19

へくとぱすかる

まさか、ひょっとして、と思っていたが、本当にそうだった。読んでいる途中で「うわーっ」ときたのは、他でもない、子どもの頃に考えていたこととそっくりなことを、あの「トマソン」の原平さんも考えていたからだ。永井均の<私>の哲学を昨日少しかじったばかりだから、余計に感覚は強かった。Aちゃんにとっての自分は、自分には向こう側の存在で、自分はそれにはなれないなど、まさに独我論の出発点。自分だけが特別で、みんなは作られたニセ物だとか。そんなあれこれを思ったことがある人は、哲学をするか、この本を読むことをおすすめします。

2022/02/18

shio

「こどもの哲学 大人の絵本」と題されるだけあり、平易な文章で味のあるイラストと共に、著者がこどもの頃に疑問に思ったことを深く掘り下げていく。自分以外の自分ってどんなだろう?誰しも思ったことがあるむず痒さ。自分って何?という疑問は突き詰めると「自分の脳で脳のことを考える」矛盾にも似た不可思議さがあります。自分とは何か確認する簡単な方法は「痛み」を感じる境界線を繋ぐこと。そうすると自分の体のアウトラインがあらわれる。な、なるほど…?!

2022/07/31

阿部義彦

赤瀬川原平さんが晩年に残した傑作絵本とあります。私とした事が全然知りませんでした。こうして文庫化してくれた筑摩書房に感謝です。このシリーズ「こどもの哲学大人の絵本」として続刊が出るようで楽しみにしています。赤瀬川原平さんはとにかく物の見方のアマチュアリズムから入っていつの間にか深淵にまで自力で達するプロだと思っています。パラダイムシフトなんて横文字ではなくて飽くまでもなんだろなーなんだろなーを、繰り返して物の見事に自分の中でコペルニクス的展開をしてしまうのであります。またイラストもたっぷり!楽しめました。

2022/02/27

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