KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

しかもフタが無い (ちくま文庫 よ-32-1)

しかもフタが無い (ちくま文庫 よ-32-1)

しかもフタが無い (ちくま文庫 よ-32-1)

作家
ヨシタケシンスケ
出版社
筑摩書房
発売日
2023-03-13
ISBN
9784480438751
amazonで購入する

「しかもフタが無い (ちくま文庫 よ-32-1)」のおすすめレビュー

「おまえの母性本能に手ェつっこんで奥歯ガタガタゆわしてやる!」ヨシタケシンスケの妄想膨らむ小さな日常スケッチをまとめたデビュー作

『しかもフタが無い(ちくま文庫)』(ヨシタケシンスケ/筑摩書房)

 ヨシタケシンスケさんの本は、まずタイトルが魅力的だ。『しかもフタが無い(ちくま文庫)』(筑摩書房)なんて、前後の状況を想像せずにはいられない。なんのフタだろう。ペットボトルや瓶というより、絵具や薬の入ったチューブなど、すぐには見つからない、つま先で触れただけで思いがけない隙間に入ってしまうような、小さなものに違いない。しかも、ってことは、泣きっ面に蜂的な、途方に暮れるような状況なんだろう。急いで出かけなくちゃいけないのか、何かをこぼしてしまったのか。わからないけど、情けなくしょんぼりした誰かの背中が浮かんでくるようだ。実際、表紙のイラストはそんな感じ。そうやって、ヨシタケさんはちょっとした言葉とイラストだけで、私たちのふだんしまい込まれた想像力を刺激して、つかのま、楽しい気持ちにさせてくれる。

 ヨシタケさんが日々手帳を持ち歩いて、つれづれアイデアをスケッチしているのは有名な話である。『しかもフタが無い』は、30歳までに描きためたスケッチを一冊にまとめた、ヨシタケさんのデビュー作を…

2023/6/11

全文を読む

おすすめレビューをもっと見る

しかもフタが無い (ちくま文庫 よ-32-1) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

ヨシタケシンスケさんのスケッチ集。ヨシタケさんの頭の中で考えている取るに足らないものという感じ。哲学的で面白く、くすっと笑えました。いるいるこんな人、という人物像、あるあるな状況に共感しきりでした。おまえの家の冷蔵庫をあけっぱなしにしてやる、最高です。エライ脅迫。

2023/03/18

fwhd8325

世田谷文学館でヨシタケシンスケさんの展示を見たのは2022年。どんな隙間も見逃せないほどの圧倒的な展示だったと記憶しています。とても楽しく、年甲斐も無くはしゃいでしまったようです。この文庫は、ヨシタケシンスケさんが世に出るきっかけとなったデビュー作のようです。こちらもとことん楽しませてくれます。

2024/01/08

keroppi

ヨシタケシンスケさんのデビュー作を文庫化。ヨシタケさんが書き留めたスケッチをまとめたもの。日常の何気ない人の仕草や、社会に溶け込めない辛さや、生きづらさや、日々の妄想や、…うん、分かる分かると頷いたり、クスッと笑ったり、ヨシタケさんも大変だったんだねと思い描いたり。文庫のこのサイズが、ヨシタケさんのオリジナルの絵のサイズに近いのかもしれない。だから余計にヨシタケさんの苦しみや悩みを感じてしまう。カバー裏にも初版限定のイラストエッセイがあり、ヨシタケさんの裏側を覗いている気分になる。

2023/03/21

Kazuko Ohta

ヨシタケさんが絵本作家としてデビューしたのは2003年。そのデビュー作を筑摩書房が文庫化しちゃいましたというもの。ひとつひとつに脈絡があるのかないのか、なんとなくこちらは戸惑う。添えられた字も今と変わらないように見えつつも、上手下手とは関係なくちょっぴり読みにくかったりして、うん、確かに若かりし頃の作品だろうと思わされます。今よりもほんの少し悪意を感じる一節もある(笑)。だけど若くてもやっぱりヨシタケさんはヨシタケさん。いくつかはその言葉に感じ入り、いくつかはふきだしてしまう。そして切ない。そこが好き。

2023/11/15

ネギっ子gen

【どこかで誰かが私を見つけてくれるかもしれない。誰かの中に残り続けてくれるかもしれない。その誘惑に勝てる人など、この世にいるでしょうか】創作の原点ともいえる、著者が日々思いついたことを、そのままメモに残したイラスト集。著者が30歳の時に初めて出した「書店で流通する本」の文庫本。【電車】乗車口が閉じる間際に、2片の雪が車内に。「雪がかけこみ乗車」。【説教】仁王立ちでガミガミの妻。両眼をギュッと瞑り、身を小さくして怒りが鎮まるのを待つ夫。「どんな時でも、私のグチを聞くのがアンタの役目でしょーが」。凄い観察力!

2023/07/23

感想・レビューをもっと見る