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「奇跡の自然」の守りかた: 三浦半島・小網代の谷から (ちくまプリマー新書 254)

「奇跡の自然」の守りかた: 三浦半島・小網代の谷から (ちくまプリマー新書 254)

「奇跡の自然」の守りかた: 三浦半島・小網代の谷から (ちくまプリマー新書 254)

作家
岸由二
柳瀬博一
出版社
筑摩書房
発売日
2016-05-09
ISBN
9784480689580
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「大規模開発の動きはチャンス」奇跡の自然を守った、神奈川県の常識破りの自然保護運動とは?

『「奇跡の自然」の守りかた 三浦半島・小網代の谷から』 (岸由二、柳瀬博一/ちくまプリマー新書)  自然保護・環境保全運動といえば、「自然は手付かずのままに!と訴える」「レジャー施設建設などの大規模開発には断固反対」といった活動をイメージする人が多いだろう。だが、『「奇跡の自然」の守りかた: 三浦半島・小網代の谷から』 (岸由二、柳瀬博一/ちくまプリマー新書)で描かれる、著者たちが取り組んできた保全活動はその正反対のものだ。

 「小網代(こあじろ)の谷」とは、神奈川県三浦半島の先端にある、70haのひとまとまりの自然環境のこと。山のてっぺんから川の源流~河口まで、流域のすべてがまるごと自然のまま守られている点が特徴で、このような環境を持った場所は首都圏には見当たらないという。

 その保全運動は1980年代前半から始まったが、時は日本がバブルへと向かう時期。小網代でもゴルフ場開発の計画が持ち上がっていたが、保全運動をしていた著者たちは、その動きを“チャンス”と捉えたそうだ。

 というのも、当時の小網代はほとんどが私有地で、自由に宅地を造成できる市街…

2016/9/11

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「奇跡の自然」の守りかた: 三浦半島・小網代の谷から (ちくまプリマー新書 254) / 感想・レビュー

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KAZOO

三浦半島は私にとってはなつかしい地域です。父方の祖父が横須賀出身でしたのでなんども行っています。数十年前にもこの本の話題となっている小網代に行ったことがあります。夜でしたがかにがものすごく陸地に上がってきたのを見た覚えがあります。まだまだ開発されずに残っていたのですね。このような森が首都圏近くにあるというのは奇跡に近い気がします。最近は三浦半島の先端から住民が減ってきているということも聞いており今後ずっと残っていく可能性が大きいですね。

2018/05/09

molysk

三浦半島、小網代。この地は、流域全体に開発の手が入っていない、世界的にも稀有な一帯である。いかにして自然は守られたのか。開発する企業や自治体を悪者扱いして、自然に一切の手を加えず、政治家を巻き込んだ反対活動を立ち上げる?実際は逆で、企業や自治体と手を携えて開発に賛成して、自然を適切に管理するために人工物の造成も行い、何でも反対の活動にはくみしない。この姿勢が小網代の森を守ったのだという。これは面白い。人里に近い自然を残すには、人との関わりは避けられない。泥臭い調整を厭わなかった筆者らの活動に、頭が下がる。

2020/08/10

Kikuyo

小網代の森は、水系を軸として、森林、湿地、干潟および海がまとまった丸ごとの自然がある「奇跡の自然」エリアだ。2000種の生き物が生息する。尾瀬のような厳正保全ではなく、地域や自治体を巻き込みながら、時には大胆に伐採することもある「流域思考」に基づいて管理されている。「手入れ」も大切。また、環境保全VS開発という構図は無く、上手にいろいろなモノと折り合いを付けながら活動していくことと工夫の積み重ねがある。人と自然が互いにイキイキと輝いている世界を目指したモデルケースとなっていて、大いに参考になる。

2016/09/26

みさどん

感動しちゃった。自分が幼い頃は、用水路に台所の水や家畜の糞尿がそのまま入っていたのを覚えている。環境に配慮がなされていなかった時代だったな。九州は反対があったにも関わらず湾のせき止めがあって、悲しかったし。この小網代の谷、保存がかなって本当に素晴らしい。行きたい!

2018/12/03

Hiro

小網代の谷という「奇跡の自然」にどれ程の人の想いが詰まっているのかを感じ取れました。僕自身、森や海、山や川など自然の中の、あのなんとも言えない心地良さと安らぎに満ちた空間が大好きです。だから、小網代の谷に行ってみたいと思うとともに、ずっと守られていて欲しいとも思いました。自然は、現在の地球人よりずっと長くそこにあります。その長い年月の中で、そこにいた人間や、動物の想い、それと、大地の移り変わりも積み重なっていると思います。だからこそ、自然は守るべきだと思うので、岸由二さんには、敬意を表したいと思いました。

2019/02/27

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