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絶滅危惧個人商店 (単行本)

絶滅危惧個人商店 (単行本)

絶滅危惧個人商店 (単行本)

作家
井上理津子
出版社
筑摩書房
発売日
2020-12-14
ISBN
9784480818560
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「絶滅危惧個人商店 (単行本)」のおすすめレビュー

チェーン店に負けない「個人商店」の魅力――絶滅が危惧される存在の歴史をたどる

『絶滅危惧個人商店』(井上理津子/筑摩書房)

 最近、地元の商店街に足を運ぶ機会があった。高校生の頃訪れた際にはシャッター商店街となりかけていたその場所には、地域再生化によって以前にはなかった今風のカフェができ、「タピオカドリンク」ののぼりもはためいていた。

 息を吹き返したみたいで嬉しい。そう思ったが、同時に寂しくもなった。あの頃目にした渋い喫茶店や地元マダムの憩いの場所となっていた洋服店に、もう二度とたどり着けないことが無性に悲しかったのだ。

 そんな記憶を思い起こさせたのが、『絶滅危惧個人商店』(井上理津子/筑摩書房)。本書はどこの町にもきっとある、味わい深い個人商店についてまとめたルポルタージュ。戦争などを乗り越え、生き続けてきたお店と店主、両方の歴史を紹介している。

客目線に立った商売を貫く「かなざき精肉店」  ルポルタージュはかっちりとした文体であることも多いが、本書はフランクでとっつきやすい。著者と店主の軽快なやり取りに、まるで自分もお店に足を運んでいるような気持ちになってくる。

 取材を通して明かされる、店主たちが見てきた歴史はどれも味わい…

2021/2/14

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絶滅危惧個人商店 (単行本) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

trazom

なんで、こんなにホカホカで幸せな気持ちになるんだろう。井上さんが東京周辺の個人商店を訪ねて歩く。佃煮屋、魚屋、靴店、玩具店、質店、銭湯など18のお店での店主たちとの思い出話の何と味わい深いこと。百年近い歴史を背負った語りには「この商売が大好きオーラ」と誇りが籠っている。商品への愛着と地元への愛情に満ちた言葉の数々を、井上さんが見事に引き出している。更に、各店を描いた中村章伯さんのイラストが、味があって最高。本当にいい本だ。唯一の不満は、大阪の誇りだった井上理津子さんが、すっかり東京人になっちゃったこと…。

2021/02/22

あすなろ

寂れてしまった商店街の中にある個人商店。それらを取り上げている。ネットでそしてコロナ禍で安価に欲しいものを情報の洪水の中で選ぶ時代。正直、もうそれが変わる事は難しい筈。しかし、それでも個人商店を選ぶ意味は何か?ハッキリ言えばそれ程ありはしまい。ただ、そこには言葉という介在物がある。口コミという些か不安定なものではなく。ここが大事で、その商店内に我々の希望する物がなくとも或いは高くとも、目利き・技術的なものや高付加価値的な味の提供が出来る商店にはやはり魅力がある。そうした店を誰でも一つぐらい知りはしないか?

2021/08/15

fwhd8325

商人の家で育った私には、様々な出来事を超えてご商売を継続されていることにただただ頭が下がる思いです。どこへ行っても代わり映えのない景色やお店には、少々うんざりしています。大型店を押しのけ、活気がある商店街へ行くとワクワクしてたまりません。個人商店は、究極の専門店だと思います。個人商店ならではの楽しみ方があるんだと思います。紹介されたお店のいくつかは、必ず行ってみたい。そんな気持ちにさせてくれました。

2021/02/27

けんとまん1007

個人商店。そういえば、あまり行かなくなったなあ~と。大型店やスーパーマーケットを核としたエリアを主に利用+通販。それでも、個人商店にいくと安心感がある。どことなく、距離感が近く感じることが多いのは何故だろうか。やはり、人間臭さ・温もりがあるからと思う。地域的に行くことはできないお店ばかりだが、改めて、地元の個人商店を・・・と思う。何を買おうかな^^。

2021/03/16

mayu

ルポでした。コンビニや量販店、スーパーにアウトレット。なかなか、八百屋に行って、お豆腐屋さん、精肉店に鮮魚店に行くという買い物をしなくなった。一カ所で全て揃えたい。失礼ながら、なぜここは潰れないのだろうって思うお店もある。こちらでも、小説はほぼゼロ。流行の本やベストセラーとかではない本が並んでいる本屋だとか。置いてある商品を全て把握している文房具屋。店は寝るまで開けているお店までも。地域に貢献し、扱う品の専門家としての矜持が見える。皆さんキャラが濃い印象。『この人から買いたい』と思う客が多くいるのだろう。

2021/05/28

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