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発情装置: エロスのシナリオ

発情装置: エロスのシナリオ

発情装置: エロスのシナリオ

作家
上野千鶴子
出版社
筑摩書房
発売日
1998-01-01
ISBN
9784480863119
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発情装置: エロスのシナリオ / 感想・レビュー

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文化という装置があって、はじめて人は発情するという。なるほど〜。女性の性解放はしばしば男性の餌食にされ終わることが多いとか、男性ヌードはなによりも男性同性愛者の眼差しに供される性的なオブジェだとか、男性と違って女性は視る方ではなく視られる方のフェティシズムを持つとか、イチイチなるほど〜なるほど〜となりながら読んだ。芸術家ニキの作風の変化について触れるところでは、精神にまつわる治療過程を見ているようで癒された。しかし、上野千鶴子の本初めてだったけど、自分が男だったら最後まで読めないかもしれない(笑)

2021/09/08

takizawa

1980年代後半〜90年代(ブルセラ少女を擁護していた頃ですよ。もはや古典)に発表された短めの論文を一冊の本にまとめ直したもの。著者は私たちが当たり前だと思っている恋愛観や結婚観がいかに歴史的に構築されているかを暴いてゆく。1990年代後半には過去に同性愛を嫌悪していたことを素直に認めた上でゲイ・スタディーズとフェミニズムの共闘可能性にも真摯に興味を示す。上野先生は軽んじられがちな他者(ブルセラ少女,性労働者,ゲイ,レズビアン)を一人の人間として尊重する。だからこそ多くの人に支持されてきたんだろうなぁ。

2011/03/18

Miss.W.Shadow

良書。写真、絵が多く、美しい装丁。余白があって書き込みやすい。内容としては、論客の印象の強い上野氏のエッセイストとしてのみずみずしい感性を知ることができる。いくつか引用、「わたしの知る限り、孤独な人は他人にやさしいし、愛されることを、ありがたい恵みのように感じる」「ダディ、お望みならあなたをダディと呼んであげる。(略)ダディ、あなたがあたしを愛してくれたからあたしはあなたを憎んだ。(略)あたしは危うく「父の娘」になるところだったけど、からくりがわかっちまったから逃げ出すことにした。   

2010/10/18

Uzundk

昨今多い女子会を覗くような心構えで読み始めたところ、覗かれているのは実は私であり、避けていたものを白日の元に晒され、その無自覚さを正面から追求されるとい、なんとも鋭い良書。 性の自明性そしてタブー視が近代に作られたものであることから、エロスとは発情させるための文化的な装置であるという視点を語る。 何となくわかるようなわからないような...もう少し自分の中で直視できるようになってから追求したい。

2015/05/17

awe

1998年初版の上野千鶴子の論考+エッセイ集。だからと言って読みやすいということはなく、特に精神分析について扱った章や、ジェンダーとセクシュアリティの関係について論じた章などは難解で理解が及ばなかった。以下面白かった点をいくつか。一つ目は、序章や1章で触れられているセックスワークについて。そこでは、なぜ他の肉体労働に比してセックスワークが労働者にとって冒涜的と感じられ得るのかという点について触れられている。それは「性と人格の結び付き」がされているからなんだと。これだけだと分かりづらいが、要するにセックスは

2022/10/23

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