J・G・バラード短編全集4 (下り坂カーレースにみたてたジョン・フィッツジェラルド・ケネディ暗殺事件)
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J・G・バラード短編全集4 (下り坂カーレースにみたてたジョン・フィッツジェラルド・ケネディ暗殺事件) / 感想・レビュー
ねりわさび
発表直後に初版裁断というレーガンにまつわる問題作や剥製にされた女との恋、太陽の帝国の習作である半自伝的短編が印象深い。ヴァーミリオンサンズの世界観による短編も多く収録されていて、白日夢のような風景を描いた短編集として興味深く読み終わりました。
2020/04/29
澤水月
柳下毅一郎訳の死亡した宇宙飛行士にうっとり…太陽の帝国の原案で上海の収容所体験だが死体と過ごす幻想譚の死者の刻、雲を彫刻コーラルDなど最高。そしてバラード印!濃縮小説キター!下り坂カーレースにみたてたジョン・フィッツジェラルド・ケネディ暗殺事件は2p半。どうして私はロナルド・レーガンをファックしたいのかが3p。残虐行為展覧会絶版がやっと一般に読め嬉しい。ただウエーク島…は素晴らしいが最終都市の訳文は正直難儀、クラッシュもハイライズも萌芽見えるのに故野口幸夫氏のクセが…いや知ってましたがバラードでないみたい
2017/11/07
vaudou
今巻の読みどころは、いずれも「残虐行為博覧会」から収録された表題作、そして「どうしてわたしはロナルド・レーガンをファックしたいのか」の二編だろう。濃縮小説の到達点。意図した猥褻と言い切る逸話ふくめ凄い。カエアンぽい「風にさよならをいおう」、美術趣味と飛行への夢が渾然となる「コーラルDの雲の彫刻師」と美しく儚い傑作も収録。先の刊行記念トークショーでの、「ポップカルチャー性」(本国ではクラッシュに触発された展覧会も開かれているし、「太陽の帝国」は戦後文学のヒット作)でバラードを解釈するという話が興味深かった。
2018/02/18
ろびん
掌編が良いな……。 さて、5巻発売まで待機。
2018/01/21
渡邊利道
濃縮小説から自伝まで、でもやはり一番印象に残るのは飛行、飛行機に関するイメージと愛情だ。『残酷行為展覧会』所収の短編がごく少数しか入っていないのはあれらは短編ではなく本のピースだということだろうか。というか、他にも邦訳されているのに収録されていない短編があるようで、どういう基準の「全短編」なのだろう。とはいえ、作品はどれも面白い。死亡した宇宙飛行士ってブラッドベリへのオマージュなんだろうなあとか、いろいろ思ったりした。
2018/02/22
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