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J・G・バラード短編全集5 近未来の神話

J・G・バラード短編全集5 近未来の神話

J・G・バラード短編全集5 近未来の神話

作家
J・G・バラード
柳下毅一郎
浅倉 久志他
出版社
東京創元社
発売日
2018-01-31
ISBN
9784488010621
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J・G・バラード短編全集5 近未来の神話 / 感想・レビュー

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澤水月

今巻は精神の「遁走」と異次元への飛翔を絡めた「太陽からの知らせ」、孤独な変人と宇宙への偏執に共鳴「月の上を歩いた男」、本邦初訳「火星からのメッセージ」(ラスト一文が最高!)など絶品だらけ。「第三次世界戦争秘史」は天皇退位話題の今新訳で改めて既視感に戦慄。1988年発表!何月執筆だろう。基本発表順、で初期から晩年近くまで飛行・渇いたプール・遺棄された巨大施設、自然に飲まれる人工物、超現実主義絵画など繰り返されていたこと、人物の名付けも意味ある事多いと改めて知る。16年9月からの叢書完結、関係者に感謝(コメ続

2018/03/03

vaudou

全集も最終巻。長編の前にまず骨子となる短編を書いていたバラードなだけに、こうして柳下さんの解説込みで、バラードの内宇宙における恒星たる長編と、周囲を構成する惑星ともいえる短編を耽読し続けた期間は、実に楽しく有意義な時間であった。第三次大戦の予感に充ちた数編や「コカイン・ナイト」の助走的短編に続いては、宇宙を志向する人間の限界を描出する。第5巻の読みどころはまさにそこで、ポスト宇宙時代小説の三部作は、その最深部に到達する。80年代にここまで・・永遠の光輝に包まれる「近未来の神話」は、溜息の出るような傑作だ。

2018/03/02

月世界旅行したい

ギブスンの寄稿あり。

2018/03/02

rinakko

最後までみっちり楽しめて、大変満足な最終巻だった。とりわけお気に入りは、「暴走する妄想の物語」や「太陽からの知らせ」「宇宙時代の記憶」「巨大な空間」「世界最大のテーマパーク」「戦争熱」「死の墜落」。「未確認宇宙ステーションに関する報告書」や「ヴァーチャルな死へのガイド」の乾いた作風も好きだ。

2018/04/16

シロビ

終わってしまった…。記録をみると、一巻を読了したのが2016/12/26。定期的にバラードの文章を摂取する生活。楽しかったなぁ。何より、バラードの書く物語が与えてくれるイメージが好きだった。鳥・飛行機・生命力のある植物・炎・水のないプール・割れたサングラス・宇宙飛行士・音響彫刻・感受性を持つ家、服・宝石のような昆虫・砂鱏…強迫観念・抽象化・観察される急速な生態系の進化・無時間・マスメディア・JFK……。読んでいる、というよりは、絵画を観たときの考える楽しさ。

2018/03/02

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