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人生の奇跡 J・G・バラード自伝 (キイ・ライブラリー)

人生の奇跡 J・G・バラード自伝 (キイ・ライブラリー)

人生の奇跡 J・G・バラード自伝 (キイ・ライブラリー)

作家
J・G・バラード
柳下毅一郎
出版社
東京創元社
発売日
2010-10-28
ISBN
9784488015282
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人生の奇跡 J・G・バラード自伝 (キイ・ライブラリー) / 感想・レビュー

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新地学@児童書病発動中

英の作家J・G・バラードの自伝。非常に面白かった。バラードはSF作家として出発した人だが、作風が変化してのちに戦後を代表する英国の作家として認められるようになった。と言っても、急に文学的になったのではなく、時代がバラードに追いついたところがある。戦前の上海で少年時代を過ごしたことが、作家になるきっかけになったのは間違いなく、その時代のことは本書の中で詳細に語られている。英国帝国主義が永遠に続くことを疑わない大人たち、貧しくして行き倒れになる中国人、20世紀初頭のテクノロジーの精髄を集めた上海の街並。→

2016/08/27

藤月はな(灯れ松明の火)

以前、『コンクリートの島』で「バラードはフェミニスト?」という感想を書いた所、澤水月さんからご紹介して戴いた本でした。『秘密の花園』のメアリーのようにネグレクトされた上海時代と、最も幸福を感じた収容所時代を経た少年は亡き妻の代わりに子供に惜しみない愛情を注ぐパパとなった。映画版『ハイライズ』での描写(頭部を剥かれ、切開される精神病患者の死体、死体が浮かぶプール、子供や女性は環境に順応し、生き残るなど)はバラードの人生や価値観も盛り込んでいたんだなと気づくとますます、映画も小説も好きになってきました。

2016/10/23

踊る猫

バラードによって書かれる自身の人生はさほど劇的なことが起きるわけでもない。ただ、起きた出来事が自身に細かな傷を(無数に?)残したその記録と、その傷が自分の精神を変えた記録が綴られる。だから外側に起きた出来事の波瀾万丈ではなく、それを呑み込んで成長したバラードの人間的な深まりを読むのが面白い。作家になってから勤勉に作品を書き続けるバラードの姿を見ていると、人間的に破綻した人ではないことがわかる(酒乱と聞いていたが、誇張だったのか?)。その精力的で野心的な活動の源泉にある「人間力」とでも呼ぶべきものを学びたい

2021/08/24

月世界旅行したい

いまさら読む。

2018/03/25

kokada_jnet

濃厚な記述の上海時代と比べると、その後の人生についての描写は薄め。バラード文体で描かれるバラード人生を堪能。色々と納得。

2010/12/23

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