SF雑誌の歴史 黄金期そして革命 (キイ・ライブラリー)
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SF雑誌の歴史 黄金期そして革命 (キイ・ライブラリー) / 感想・レビュー
新地学@児童書病発動中
50年代から70年代までのSF雑誌の移り変りをまとめたもの。400ページを超える大著で、著者のSFへの深い愛情を感じる。この期間は子供の読み物と考えられていたSFが洗練されて、大人の鑑賞に堪えうるものになった時期に当たり、現在でも読み継がれている名作が多く書かれた。例えば、ブラッドベリの『華氏451度』が発表されたのがこの時代の雑誌である。私はファンタジーよりのSFが好きなので、そういった小説が掲載されたF&SF誌やファンタスティック誌に触れた部分が特に面白かった。
2015/02/17
スターライト
SFの歴史を雑誌を中心にたどった本書は、掲載された作品・作家を丹念に解説するのみならず、出版にまつわる背景にも言及し、まさに労作にふさわしい大著。本書で語られる1950~70年は、日本でもおなじみの作品・作家が取り上げられるので、コアなファンは自らの読書史を振り返ることができ(もちろん新たな発見もある)、またSF初心者には格好のブックガイドになっている。SFの歴史は、SF雑誌の歴史である-読み終わった読者は、その感を抱くに違いない。巻末に非英語圏についても簡潔にまとめられており、目配りが利いている。必読。
2015/04/09
ろびん
ディックの項と、最後の各国のまとめが特に興味深かったです。
2018/10/06
yyg
本当に翻訳に10年かかるとは…。今回は50年前半から70年前後の20年間と、前巻から取り扱う年数は減ったものの、SFブームやニューウェーブ運動が重なり内容はかなり濃密。この年代にデビューしたメジャー作家が多いことからもそれが伺える。雑誌をよくするためには、財力とそれ以上に編集者の力が必要なのがよく分かり、その中でもH・L・ゴールド、フレデリック・ポール、マイケル・ムアコックの活躍が印象に残る。終章にアメリカ、イギリス以外でのSF雑誌の受容が語られており、日本以外の国は中々知ることができないので、貴重。
2015/06/07
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