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おっかなの晩 (船宿若狭屋あやかし話)

おっかなの晩 (船宿若狭屋あやかし話)

おっかなの晩 (船宿若狭屋あやかし話)

作家
折口真喜子
出版社
東京創元社
発売日
2015-11-28
ISBN
9784488027551
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おっかなの晩 (船宿若狭屋あやかし話) / 感想・レビュー

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mocha

やっぱり折口さんの世界好きだな。船宿の女将・お涼さんの元に寄ってくる、ちょっと不思議な話8篇。滝行で祓ったもの、禊で落としたもの、さまざまな思いや悪いものが、川となり山や里を流れ下る。海からも深い世界のものたちが打ち寄せる。著者インタビューで印象的だった「真剣に向き合っても深刻にならない」という姿勢が、お涼さんや父親の甚八そのもの。とても心地良く、名残惜しく読了した。

2016/05/24

Rin

【図書館】あやかし話とあるけれど、おどろおどろとしておらず、日常生活に溶け込むような不思議なお話。短編形式だけれど、すべてがつながっている。前半のちょっとした疑問も最後まで読めば納得できる。何よりも人外のものに対して昔ながらの受け入れ方がされているからか、怪異や異形のものに対して過剰に反応しない人々がすごい。主人公のお涼もさばさばとして性格で頼りがいのある姉御という感じ。それが、この物語を暗くせず読了感をよくしてくれている。個人的には深みがもう少し欲しかったけれど、さらりとほっと一息つける一冊でした。

2016/12/29

nico🐬波待ち中

折口さんの紡ぐ「あやかし」の世界はじんわりと心に染みて心地好い!江戸っ子の人情話とあやかし話が優しく混じり合い温かい気持ちになった後、江戸の小粋なオチが付いていて落語を聴いている気分にもなれた。ストーリーテラーのような船宿若狭屋の女将・お涼がとても素敵な女性。情に厚くさっぱりしていて、人にも妖にも等しく温かい眼差しを向けている。いつまでもこの世界に浸っていたい気持ちになった。特に「狐憑き」「鰐口とどんぐり」「三途の川」が好き。この船宿若狭屋の物語も『踊る猫』『恋する狐』同様、是非シリーズ化して欲しい!

2017/05/13

ぶんこ

箱崎の中州に船宿を営む甚八と一人娘のお涼の物語。 最初のうちは普通の人には見えない亡霊が見えるだけと思っていたお涼さんですが、最後のほうになって甚八さんが主役の短編になって初めて、妖の世界との繋がりが判りました。 なんと八衢の神の女房だったとは! 甚八さんの機転と肝っ玉の靭さを受け継いでいるお涼さんでした。 山姥に会えるかもと興味津々のお涼さんには、思わず笑ってしまいました。 沼の主に一発くらわす根性は天晴れで、爽快です。 この父にしてこの子有り! 面白かったです。

2016/02/14

はる

「踊る猫」が良かったので期待していました。折口さんの新作です。こちらも「踊る猫」に通じるような、妖しくもどこか懐かしい物語。主人公は船宿の女将、お涼さん。きっぷが良くて人情深い。なかなか魅力的です。「踊る猫」はふんわりとした優しさでしたが、こちらは人情味のあるお話しが多い感じですね。シリーズ化するのかな。

2016/01/08

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